WOWOWが自社映画「ゴールデンカムイ」をNetflix に投入した狙い~山本均社長にOTT時代の新戦略を聞く~【調査情報デジタル】
境 若い世代へのアプローチについては、どのようにお考えですか? 山本 若い世代、特に10代、20代の方々に、いきなり放送サービスに加入してもらうのは難しいですね。しかし、配信を通じてWOWOWのコンテンツの価値を知ってもらえれば、将来的な加入につながる可能性があります。 そのための一つの戦略として、NetflixなどのOTTプラットフォームとの協力も進めています。 例えば、「ゴールデンカムイ」の映画版をNetflixで配信することで、より多くの人にWOWOWの作品を知ってもらう機会を作っています。これは、WOWOWの認知度向上と、ドラマ版への誘導を狙ったものです。 境 その戦略に、若者ではない私もまんまとハマりました(笑)。 山本 それはありがたいですね(笑)。まだ始めたばかりの取り組みですが、手応えは感じています。 ただし、これは一つの試みに過ぎません。今の業界は本当に変化が激しい。米国のメディア企業もこの数年で戦略をガラリと変えました。今年の戦略が来年も正しいと言い切れる時代ではありません。 常にお客様の動向を見ながら、様々な手を打っていく必要があります。そうでなければ、この変化の激しい時代に生き残ることはできないでしょう。 ■外部プラットフォームを通じた視聴者開拓を今後の重要戦略に 境 WOWOWは、フジテレビ、TBS、日本テレビの3社が主要株主となっていますが、プロパー社長就任により、これらの地上波放送局との関係に変化はあるのでしょうか? 山本 WOWOWは地上波放送局が主要株主ではありますが、ビジネスモデルが大きく異なるため、これまでも一定の自由度を持って経営してきました。 テレビ業界全体が厳しい状況にある中、我々も放送ビジネスだけでなく、新たな収益源を模索する必要があります。その過程で、親会社である地上波放送局と協力できることは協力していきたいと考えています。 境 具体的にはどのような協力を考えていますか?