「骨のきしむ音が聞こえた」ピューマに襲われたサイクリング中の女性、見捨てない仲間が演じた45分間の死闘
仲の良い友人たちと出かけたサイクリングが、突如乱入したピューマのせいで血みどろの惨劇に。しかし、同行した仲間たちは決して彼女を見捨てなかった。奮闘の甲斐あって、襲われた女性は一命を取り留めている。 【動画】ピューマに襲われた女性が45分間の死闘を振り返る 米西岸・ワシントン州出身で競技サイクリストのケリー・ベルジェールさんは、女性仲間5人でサイクリングに出発。同州の人口2000人ほどの小さな村落、フォールシティの近郊でマウンテンバイクを楽しんでいた。森林を抜ける砂利道が整備され、適度な起伏がサイクリストたちにも人気のコースになっている。 2頭のピューマが姿を現したのはそのときだ。1頭は森の木陰へと姿を消したが、1頭がベルジェールさんに飛びかかった。
気づけば道の反対側に飛ばされていた
居合わせた友人の1人は、米NBCニュースの取材に、「とにかく一瞬で攻撃が始まりました」と恐怖を語る。「私たちがピューマを目撃した瞬間から、奴がベルジェールを引き倒すまで、3秒といったところでしょうか。立ち向かって威嚇する余裕など、まるでありませんでした」 ベルジェールさん本人は、米公共ラジオ放送のNPRに、「自転車にタックルを受けました。気づくと、道路の反対側にあった側溝に倒れていたんです」と語る。 ピューマはベルジェールさんを組み敷き、想像を絶する強さで顔を押さえつけた。「地面に押さえつけられ、顔を押しつぶされました。歯が次第に抜けてくる感覚があり、歯を飲み込むかとも思いました。あちこちの骨がきしむのを感じました」 仲間は恐怖に足がすくんだことだろう。だが、ベルジェールさんの異変に気づいた友人4人全員が、今まさにピューマに襲われている彼女のもとへと戻ってきた。5年来の付き合いになる彼女を、決して見放しはしないとばかりに。 とはいえ相手は野生の猛獣だ。必死の反撃も分厚い筋肉に阻まれた、と仲間の1人が振り返る。「すぐにピューマの首を絞めようとしたんです。ですが、岩を握っているようなものでした」