「巨人軍」「ヤンキース」への入団を選手がためらう理由…日米「名門球団」のブランド力はもはや通用しないのか
日本の伝統球団も…
菊池は3年6300万ドル(約97億円)でエンゼルスと契約した。フリードも好投手だが、「ここまで大きな契約を結ぶ必要があったのか」というのが、米メディアの心象だ。マイナー時代から目を掛けてきたトーレスとの残留交渉では「長期契約」を嫌い、米FA市場のフリードには「8年」を提示。ファンが首を傾げるのも当然だろう。一方で、日本の“伝統球団”も「不可解な大型契約」を結んでいる。 「24年シーズンはリーグ優勝したものの、日本シリーズへ進めなかった巨人は、ライデル・マルティネス(28)と『4年総額50億円強』の超大型契約を結び、楽天から自由契約になっていた田中将大(36)を1億6000万円(推定)で獲得しました。24年シーズンに15勝を挙げた菅野智之(35)のオリオールズ行きを受けて、先発投手の補強は必須でした。とはいえ、24年一軍登板1試合(1敗)に終わった田中の復活は、今のところ、『期待』でしかありません」(ベテラン記者) 巨人の場合は大山悠輔(30)のFA獲得に失敗し、その資金が田中らに充てられたというのが球界関係者の一致した見方だ。また、甲斐拓也(32)の獲得も合わせて「ビッグネームを集めている」との指摘が聞かれるが、それはヤンキースも同じだ。 フリード以外にヤンキースは、カージナルスからFAになっていた内野手のポール・ゴールドシュミット(37)を獲得。さらに、カブスとはDH兼外野手のコディ・ベリンジャー(29)を得るトレードをまとめた。ヤンキースにはアーロン・ジャッジ(32)、ジャンカルロ・スタントン(37)もいるので、25年はMVP受賞者を4人も揃えたオールスター級の打線が組まれる。伝統球団に相応しい豪華なラインナップといえそうだが、こんな指摘も聞かれた。 「ゴールドシュミットは22年ナ・リーグMVPに選ばれた翌年から成績が下降しています。今季もさらに打率(2割4分5厘)、打点(65)、本塁打数(22)が落ちています。ベリンジャーも昨季の本塁打26本から18本にダウンしており、3割を超えていた打率も2割3分台まで落ち込みました。スタントンも打率2割3分3厘です」(前出・米国人ライター) 巨人では主砲・岡本和真(28)に続く5番打者候補として、アストロズでもプレーしたトレイ・キャベッジ(27)を獲得した。「23年シーズン、マイナーでトリプルスリー(打率3割。本塁打30、盗塁30)を達成した」とも紹介されているが、変化球の多い日本のプロ野球界に適応できるかどうかは未知数だ。 「広角に打てるとも紹介されたそうですが、ミートポイントが後ろになって、打球がレフト方向に飛んでいる感じです。昨年オフ、オリックスが獲得交渉に乗り出したものの、契約は成立しませんでした。キャベッジがメジャーリーグ昇格の夢にこだわったとも聞いていますが、オリックスがあっさり引き上げたのは、技術的に何かあったからかもしれません」(前出・同)