子煩悩は遺伝する? 夫の親戚の育児スキルから浮き彫りになった「現代の子育て環境の問題」
現代の子育て環境の問題とは
思い返すと、私が初めて新生児をきちんと抱っこしたのは、姉が出産した20歳の時のことでした。 それ以前に出産した友だちのお祝いに行ったことはあったけれど、触れるのも怖くて、抱っこをさせてもらった記憶もないくらいです。街なかでも、特に生後3ヵ月くらいまでの赤ちゃんは外出もあまりしていないから、普段目にする機会もあまりないですよね。 でも、私たちの親世代よりもっと以前の、日本人が赤ちゃんをいっぱい産んでいた時代は、常に自分より小さな子どもと触れ合う機会があったはず。そして多くの人が、夫の親族のように「手」がいっぱいのなかで育って、そして子育てをしていたのかなと想像します。 もちろん皆んながみんな、そんな環境を望んでいるわけではないだろうけれど、本当に困った時は、誰かの「手」が助けてくれると思えるだけで子育ては楽になると思います! 私は姉の出産で初めて新生児に触れたあと、自分の出産まで10年かかりました。その10年間は仕事に没頭して、もちろん姪っ子と会う機会や遊んだ記憶はあるけれど、積極的に面倒をみることまではしなかったなと反省しています。だから結局、新生児との生活は自分の第1子が初めてで、慣れない生活に急に突入したから、とってもしんどかったし、何をするのも本当に怖かったです。ただ我が家は、夫が育児慣れしてることで相当助けられました。でも、一般的に初めてパパになった男性が赤ちゃん慣れしていることなんて、なかなかないですよね。 つまり現代では母親も、父親も、ほとんど全てが初めての体験ながら、小さな命と向き合うことになる。 1日中24時間、育児に休みはない。 それが大変じゃないはずがないですよね! だからもし現代の、子どもは親が見るのが当たり前という雰囲気が、ひと昔前のみんなで子どもを見ようという社会に戻れば、日本の子育てはもう少し楽になるんじゃないでしょうか。孤独に子育てをすることを防ぐのは、社会の役割だと感じます。 そして、もし今子育て中のママやパパが「子育てがしんどい」と感じた時は、それってただ手が足りないだけじゃないのかな?って、自分を責めるのではなく、自分の環境を見直すことから始めてみても良いのかもしれません。
【Profile】唐仁原けいこ
3人の子育て中。株式会社ライフキャリアcircle代表。女性が主体的に生きるを考えるオンラインコミュニティを運営。他、執筆やセミナー企画など活動は多岐に渡る。 2020年6月に「主婦業9割削減を目指す」と宣言して書きはじめたブログが話題になり書籍化。各種メディアから取材を受ける。 「こうあるべき」から解放されると評判の主婦業9割削減エッセンスを伝授した人は述べ1万人以上。 ジェンダーの平等、女性活躍推進、少子化 今の日本が抱える課題に一石を投じる発信だという声をいただく。