「1人でいるのは淋しい」住民の心の拠りどころを 地震の被災地で新たな地域コミュニティが発足
北陸放送
元日の地震に加え、先月の記録的な豪雨でも大きな被害を受けた石川県輪島市の門前町では今、地元の女性たちが地域住民の心の拠り所となる場所を作ろうと奔走しています。被災地で新たに産声を上げた地域コミュニティを追いました。 【写真を見る】「1人でいるのは淋しい」住民の心の拠りどころを 地震の被災地で新たな地域コミュニティが発足 ■住民が集まって話せる場を 笑hahaとうげ組始動 輪島市門前町の道下集会所。今月6日、地域の住民を対象にした茶会が開かれ、およそ40人が参加しました。 柴田寿美香さん 「震災があって水害があって。みなさんの気持ちをここで一緒に話してもらえたら嬉しいなと思ってこういう会を開いた」 イベントを企画したのは、今年7月に道下地区に住む女性たちで発足したグループ「笑hahaとうげ組」です。 柴田寿美香さん 「みんなで集まって話をするのが必要なんじゃないかなって。やっぱり1人で考えるより、こういう場を設けてみんなで楽しく話すのが良いって聞いたので」 柴田さんはこの地区の避難所で元日から半年間、炊き出しの責任者を務めていました。この炊き出しを通じて、避難所は多くの住民にとって憩いの場になっていたといいます。 避難所生活の中で生まれた地域の繋がりを絶やさないようにと、中心に立ってとうげ組の活動を始めました。 柴田寿美香さん 「なるべく皆さんが集まれる場所、話ができる場所を手探りだけど探してみんなでしていきたいなって」 ■避難所閉鎖から3か月 顔を合わせなくなった住民も 避難所の閉鎖から3か月。 誰もが集まれる場所がなくなったことで、仮設に移った人たちと、元々の家で暮らす人たちとで顔を合わせる機会は減っていました。 柴田さん 「こういう仮設住宅には来にくいという人もいる。全然会えていないのが現状」 再び、地域のみんなが集まれる居場所を。 先月14日、とうげ組が訪れたのは2004年に起きた中越地震の被災地。 当時5人が亡くなり、673棟の住宅に被害が及んだ新潟県の旧山古志村で、今後の活動のヒントを探りました。 ■中越地震の被災地で能登へのメッセージ「遠くから応援しています」 やまこし復興交流館おらたる。中越地震のあとにできた山古志村の住民の経験を伝える施設には、今年被災した能登を思いやるメッセージがありました。