スタートアップ企業の”出現率” 最も高いのは福岡県・北九州市 30代起業家が口をそろえる「破格の補助金」と「エンジニアにとって良い土壌」
RKB毎日放送
いわゆる「スタートアップ企業」の誕生が際立っている自治体がある。 帝国データバンクが創業5年未満の企業の割合を調査したところ、北九州市の2つの行政区が11%と、全国で最も高かった。全国平均のおよそ3倍だ。 【写真で見る】「スタートアップ企業」誕生際立つ かつて、修羅の街、とも呼ばれた北九州市で、なぜ起業が相次いでいるのか。 ■大手企業など10社以上の顧客 注目のスタートアップ企業 北九州市小倉南区にオフィスを構える「トライオーブ」。 社長の石田秀一さん(39)は、去年2月、起業した。社員26人と共に、主にロボットの開発、製造、販売などを行う。 この日見せてくれたのは、円盤にタイヤにあたる直径10センチの球体が3個ついた「運搬ロボット」。 数百キロもの重い鋼材を乗せて、前後左右どの方向へも、滑らかに自由自在に移動する。 高性能なモーターで制御し、ミリ単位の正確な動きを実現した。 トライオーブ 代表取締役CEO 石田秀一さん 「今運んでいる鋼材は、150キロくらいです。1台で300キロくらいの重量のものが持てますので、2台トータルで600キロくらいまで運べます。さらに、我々今1トンのロボットも開発中ですので、2台だと2トンだとか、大きい物だと3トン4トンとかけ算でできるようにしています」 起業して1年に満たないが、すでに大手企業を含め10社以上の顧客を持つ注目のスタートアップ企業だ。 トライオーブ 代表取締役CEO 石田秀一さん 「自動車メーカーさんとか半導体メーカーさんとかですね、鉄鋼業から輸送業とかそういったところに幅広く、一緒に、今までの車輪とは違うような全方向の移動の価値を皆さんと作っていこうとしているところです」 石田さんは、福岡県福智町出身。 九州工業大学大学院で博士課程を終了した。 自律移動ロボットの世界的な競技会であるRoboCupSoccerでチーム代表として日本大会優勝、世界大会技術部門2位を受賞するという華々しい経歴も持つ。 卒業後、佐賀県にある産総研九州センターで10年間、製造業向けの生産システム/プロセス評価に関する研究に取り組んだあと、北九州市で起業した。