大学での悔しさを晴らすネクストステージは年明けのWリーグ(インカレバスケ2024・日本経済大学 木下菜月 / 大阪体育大学 日髙ひかる)
第76回全日本大学バスケットボール選手権大会(インカレ)開幕前、Wリーグは年明け1月10日から出場可能なアーリーエントリーを発表した。準々決勝を決めた8チームのうち、11人がWリーグへ進む。すでに敗退した中にもアーリーエントリーはおり、大学での悔しさを晴らすネクストステージへ向かう熱い思いを語ってくれた。
「吉田亜沙美さんを追いかけてこれまでバスケをがんばってきました」日本経済大学 #17 木下菜月
昨年はグループステージから駆け上がって、初のベスト4となった日本経済大学は、シード校として今年はトーナメント2回戦から登場。関東大学2部Aブロックを14連勝無敗で1部復帰を決めた山梨学院大学との初戦。リードされた前半を終え、「ディフェンスを変えながらとにかく足を動かして、アップテンポにバスケしよう」と案浦知仁監督は指示を出す。第3クォーター残り3分、日本経済大学2年生の #0 柿元舞音が3ポイントシュートを決め、47-47と振り出しに戻す。混沌とする展開となる中、「自分たちのリズムが来て逆転することができたんですけどそこで耐えられず、良いリズムを継続することができなかったことで相手に持っていかれてしまいました」と唯一ベンチに入った4年生の #17 木下菜月キャプテンが試合を振り返る。 5点リードして迎えた最終クォーターだったが、リバウンドで上回る山梨学院大学に流れが傾いていく。相手の3年生エース #5 藤澤夢叶の3ポイントシュートで逆転され、さらに連続失点から11点差を背負う。そして、時間がなくなっていく。「自分たちは日本一という目標を目指してこの大会に臨みました。同期や応援してくれる方々の分まで最後までプレーし続けなければいけないと思ったので、最後まであきらめずにシュートを狙い続けました」と木下は27点を挙げた。しかし、結果は76-86で敗退。はじめて最終日まで残った昨年とは打って変わり、初戦でコートを去った。 昨年4位になったからこそ、本気で日本一を狙っていた。木下が、「1番はメンタルの部分で案浦監督に鍛えられました。キャプテンであり、4年生も自分だけしか試合に出ていないきついポジションでしたが、その中でもしっかりチームを勝たせられる選手になると決め、メンタル面でみんなを引っ張るという意味では成長できたかなと思います」という1年間だった。主力として活躍する後輩たちへ次のバトンを渡す。 「去年はベスト4となり、今年は全く違う悔しい結果となりましたが、その両方を経験できました。今日のこの悔しい景色を忘れずにまた一から練習をして、来年こそは日本一を獲れるようにがんばって欲しいです」 アイシンウィングスに入団する木下はポイントガードとして、バスケ選手として憧れの存在とチームメイトになる。「小学校のときから1番憧れてきた選手が吉田亜沙美さんです。何度も試合を見に行きましたし、吉田亜沙美さんを追いかけてこれまでバスケをがんばってきました。その選手と同じチームで一緒にプレーできるのは、自分にとってすごく良い勉強になると思いますし、楽しみな気持ちでいっぱいです」と悔しさを吹き飛ばす笑顔を見せた。現在ルーキーシーズンを送る東海大学九州出身の森口朱音と大舘真央は気心知れた仲であり、「これからたくさんお世話になります」と九州の先輩たちが心強い。 直前に行われた皇后杯2次ラウンドでは日立ハイテク クーガーズと対戦し、木下は22点と活躍し、「通用する部分もあったと感じています。これからもっと高いレベルのステージに行きますけど物怖じせず、この悔しさを恐れずにどんどんチャレンジして、少しでも勝ちに貢献できる選手になりたいです」と日本経済大学での4年間を背負ってネクストステージへ登る。 木下とともに、日立ハイテクへの入団を決めた198cmのファール アミナタ。今年度の間に2年分の修学過程を全うし、大学を去る。2人の大黒柱が抜けることになるが、「下級生たちは良い経験をしてきたので、去年と今年の先輩たちの分もがんばって、日本経済大学はやっぱり強いと思わせたい。最終日まで進んだのも昨年の1回だけなので、それを経験した彼女たちの代でもう一回達成できるようにがんばっていきます」と案浦監督も新たなスタートを切る。