【見逃せない人気スターの最新作!】ホアキン・フェニックス主演『ボーはおそれている』
【Chapter 03】第3章はおとぎ話のような映像美!
再び実家を目指すボーは、迷い込んだ森の野外劇場で現実とも空想ともつかない神秘的な物語を見る。絵画の中に入り込んだような、幻想的な映像が美しい。そして、予想外のラストへ。
ホアキンが清掃員に間違われた?
この役を気に入りオファーを受けたホアキンは、念入りに役作りに挑み、肉体的にもボーに変身。その悲しげで不気味な雰囲気は、撮影現場で共演者から清掃員に間違われるほどだったそう。ボーになりきった役者魂はさすが!
未体験の恐怖とトラウマ級の結末!
21世紀最高のホラーと称された『ヘレディタリー/継承』では、一族に潜む深い闇を描き、続く『ミッドサマー』では、陽気な祝祭が悪夢に変わる展開で観客の心をえぐったアリ・アスター監督。ダークでユーモアあふれる物語と映像で、毎回観客にトラウマ級の傷あとを残しているが、本作はこれまで以上に恐怖と混乱に満ちていて面白い。現代ホラーの頂点を極めたアスター監督にしか生み出せない、予測不能な展開と忘れられない結末を楽しんで!
ホアキン・フェニックスはハリウッドで今なにしてる!?
ミステリアスかつ型破りな役どころで知られるホアキン・フェニックスだが、その生い立ちはまるで映画のように波乱万丈だった。幼少期に、家族で入信していた宗教団体を脱退。ワゴンに乗って家族7人でハリウッドへ引っ越し。直後の1980年代前半には、テレビドラマへ出演している。 映画でも主要な役をつかむなど、子役として成功したものの、一時はオファーが途絶え、俳優から身を引いたこともあったという。しかし、俳優を続けるよう励まされていた、兄で俳優のリヴァー・フェニックスの死に立ち会ったことをきっかけに活動を再開。現在の独特な演技スタイルと深みのあるキャラクター描写は、彼の人並み外れた経験によっても培われてきたといえよう。 「演技とはドキュメンタリーのようであるべきだといつも思っていました。つまり、自分が思う“その瞬間にキャラクターが経験していること”を感じ取るべきなんです」と米『バニティ・フェア』誌で語るホアキン。『ジョーカー』で絶賛された彼が、今年公開予定の続編で見せる姿にも期待せざるを得ない。 プライベートでは、動物愛護の活動家としても知られているほか、ハリウッド・ヒルズで生活をともにしているルーニー・マーラとの関係も注目されている。2人は映画の共演で出会い、その後たびたび公の場にツーショットで登場。2020年に第1子をもうけ、2022年には結婚の報道もされるなどハッピーな話題が多い。2人が再び共演した映画『Polaris(原題)』が公開されるみたいだし、今後も目が離せそうにない。
『ジョーカー』の続編『Joker: Folie à deux(原題)』の撮影中のひとコマ。場所は、前作で一躍有名スポットになったニューヨーク・ブロンクスにある通称ジョーカー階段。続編はレディー・ガガ(左)の出演でも話題となっている。右は監督のトッド・フィリップス。 ※雑誌『Safari』3月号より
文=岡村ゆか(LA情報)