Amazon に対抗する小売業者のホリデーセール前倒し競争、その戦略とリスクとは?
ウォルマートやターゲットも前倒しセールを開催
ウォルマート(Walmart)やターゲット(Target)などの大型小売店も、Amazonの秋のプライムデーに合わせていち早く独自のセールを開催した。 今年、ウォルマートは昨年より2日間長く、10月8日から13日まで秋のセールを開催した。一方、ターゲットのプロモーションは10月6日から12日までで、5ドル(約740円)から10ドル(約1480円)の価格帯のホリデーアイテムの数を昨年より増やしている。現在、専門小売業者もますます多くがこの動きに加わっており、セールの時期はどんどん早まっている。たとえば、ベストバイとウェイフェアは昨年の秋にも同様のセールを開催したが、今年は日程をベストバイは2日間、ウェイフェアは20日間早めた。 メディア、広告、コマースの独立系アナリストであるアンドリュー・リップスマン氏は米モダンリテールに、Amazonのライバルたちは10月に存在感を保つために特売を開催する必要があるだろうと語った。「10月のプライムデーは買い物の新たな重要イベントであり、重要イベントの時期に買い物活動は集中するため、需要が高まる」と同氏はいう。「基本的にすべての小売業者がこの動きに参加する必要がある」。 リップスマン氏は、5年前と比べてサイバーファイブ(Cyber Five)がホリデーシーズンの売上全体に占める割合が低下していることを考えると、これは特に重要だと述べた。市場調査会社のイーマーケター(EMarketer)はサイバーファイブ、つまり感謝祭からサイバーマンデー(Cyber Monday)までの5日間のオンライン販売が今年のホリデーシーズンのeコマースの売上全体に占める割合は15.5%で、2019年に記録した20%から低下すると予測している。イーマーケターによると、この割合は2019年から「低下し続けている」という。 リップスマン氏は、これが小売業者、特に10月のセールを開催しないと決めた小売業者に影響を与える可能性があると述べた。「消費者支出を前倒しにしているもう一方の重要イベントに参加しないと、第4四半期の売上をカットすることになる。だが小売業者にそんな余裕はないだろう」と同氏は話す。