スピード決着で東京五輪来年7月23日開幕正式決定も海外メディアは賛否「暑さが心配事」「再延期の可能性も」
ショッキングな「再延期」の可能性を示唆したのは、USAトゥデイ紙だ。 「おおよそ1年の延期(夏開催)は、変更に関連する物流面の困難さから最も合理的で可能性の高いものと考えられていた。当初、IOCのバッハ会長は、夏よりも魅力的な天候で日本の有名な桜の木々を披露することができる春開催の可能性も検討していた。だが、春の期間は、物流面での大きな問題や、バスケットボールのような競技でトップアスリートの参加を妨げる可能性があった」と、夏開催に至った背景を分析。その上で、「今の疑問は、1年の延期が十分な準備期間であるか、どうかということだ」と問題提起した。 「新型コロナウイルスのパンデミックという世界の流れの行く先を予測することは不可能で、専門家たちは、五輪の新たな日程を早く設定しすぎたことで、再度の延期や、中止の危険にさらすかもしれないと警告している。今から12カ月から18カ月後までに新型コロナウイルスに効くワクチンが開発され、広く活用されるとは考えられていない」と、早急にスケジュールを決定してしまったことで再延期の可能性があることを示唆した。 一方で英国のBBCは、英国パラリンピック協会のマイク・シャーロックCEOの言葉を借りて、延期決定からわずか6日間で開催日程を固めたスピード決着を評価した。 同メディアは、「英国パラリンピック協会は、東京2020大会の日程が変更された『早さを賞賛』し、アスリートたちに『彼らが目標を達成するために再集中するために必要な確実性』が与えられることを願った」と紹介。 シャーロックCEOの「世界的なパンデミックとなる新型コロナウイルスとの戦いを目の前に控えて、まだ多くの困難があると理解している。アスリートたちも、まだ従来のトレーニングスケジュールに戻ることはできないだろう。優先事項は、まず公衆衛生の危機を食い止め、人々が安全と健康を保つために政府の勧告を守ることだ。そして、(その先にある)東京2020は、歴代最大で最高のパラリンピックになる可能性がある」とのコメントを伝え、新型コロナショックからの回復期間を十分に考慮した夏開催の大会へ大きな期待感を寄せた。 ちなみにNBCスポーツによると、7月23日開幕は、7月19日に始まった1996年のアトランタ五輪以来、最も早く始まる夏季五輪であり、2022年2月4日に始まる北京冬季五輪との間隔が6か月以内となることは、アルベールビル冬季五輪とバルセロナ五輪の同時開催だった1992年以来のことだという。