エミー賞最多ノミネート「SHOGUN 将軍」衣装制作秘話 作品を通じて深まる日本のファッション文化への理解とリスペクト
また、あらゆる状況、あらゆる場所、あらゆるセットで、異なるタイプの衣装が必要なことも明らかになった。その結果、各出演者はシーンに合うよう完全にカスタマイズされた服の“クローゼット”を持つことになった。
日本の伝統文化に自分らしさを融合した
2000以上ものコスチューム
WWD:制作した衣装の中で、最も思い入れの深い衣装は?
カルロス:網代の茶屋の花魁達の衣装だ。私は茶屋を“泡”のように感じさせたかった――村の暗闇の中にあるファンタジーのように。花魁達は自由を象徴し、夢を売っている。まるで飛び立ってしまうように儚い彼女達が着ている着物は、花や鳥のモチーフにあふれ、色と模様の爆発のようにも感じる。向里祐香が演じた一流の遊女“菊”の衣装デザインで、この情緒を表現したかった。
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また、二階堂ふみが演じた“落葉の方”の衣装も大好きだ。第2話の序盤、彼女の打掛は、“落葉の方”のインスピレーション源となった豊臣秀吉の側室“淀君”の絵がベースになっている。リードテキスタイルアーティストによって、50種類にも及ぶ屏風が1つ1つ手描きされているのにも注目してもらいたい。
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浅野忠信演じる“藪重”の鎧と陣羽織もお気に入りだ。“藪重”は他の大名とはちょっと違う。もっとエッジが効いていて、頑固で、少しロックスターのような印象を受けた。彼の陣羽織をもっとクリエイティブにするために、黒く尖ったカラスの羽を取り入れ、役のアティテュードを引き出した。“藪茂”の雰囲気に合わせ、彼の鎧には龍が彫刻された見事な革細工が施されている。
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