【ドイツ】ティッセン、鉄鋼部門で1.1万人削減へ
ドイツの鉄鋼・エンジニアリング大手ティッセンクルップは25日、欧州鉄鋼部門ティッセンクルップ・スチール・ヨーロッパ(TKSE)で、2030年までに約1万1,000人の人員削減を計画していると発表した。アジアでの競合台頭や電力価格高騰といった厳しい状況が続く中、数年間で人件費を平均1割削減することで競争力あるコスト水準の実現を図る。 TKSEは、生産と管理部門で30年末までに約5,000人を削減する。さらに、事業売却や外部サービス業者への業務移管を通じ、約6,000人を削減する方針だ。従業員数は現在の2万7,000人から1万6,000人に減少することになる。 TKSEのデニス・グリム最高経営責任者(CEO)は「生産ネットワークとプロセスの包括的な最適化は、未来に適応するために不可欠だ」と述べ、「競争力強化のため、今後数年間で多くの人員を削減する必要がある」と説明した。 同社は、新たな事業戦略で「市場状況に合わせた調整」として、生産能力を従来の1,150万トンから将来の出荷目標である870万~900万トンに引き下げると発表した。[労務]