ファイントゥデイ 伊藤邦浩氏「新たなメディア×タッチポイント×コミュニケーション戦略立案にも注力」
2024年のマーケティングおよびメディア業界は、テクノロジーや市場環境の急速な変化を受け、これまでの慣習や枠組みに頼らない柔軟なアプローチが求められるようになった。7月に発表されたChromeにおけるサードパーティCookie廃止の撤回をはじめ、AI活用が実践フェーズに突入したことでデータドリブンな戦略がさらに重要視されるなど、手法が大きな転換期を迎えたことは明らかだ。 こうしたなか、Digiday Japan恒例の年末年始企画「IN/OUT 2025」では、当メディアとゆかりの深いブランド・パブリッシャーのエグゼクティブにアンケートを実施。2024年をどのように総括し、2025年に向けてどのような挑戦と成長のビジョンを描いているのか、その想いに迫った。 株式会社ファイントゥデイで、日本事業本部 ブランドマーケティング部 IMCグループでグループマネージャーを務める伊藤邦浩氏の回答は以下のとおりだ。 ◆ ◆ ◆
──2024年のもっとも大きなトピック・成果は何ですか。
ファイントゥデイとして初のオリジナル新ブランド、プレミアムヘアケア「+tmr(プラストゥモロー)」の2024年2月のローンチと共に、群雄割拠の市場のなか、初年度で数多のベスコスアワードを頂戴し、ブランド、商品価値の認知をしていただけているのが大きな成果だと感じます。 新ブランド誕生にあたり、改めて弊社内におけるヘアケアの差別化、そして市場との差別化と共に生活者のインサイトに真摯に向き合い、3つの点(生活者の本質思考を捉える、生活者の意識を変える、情緒価値を付加価値とする)に絞りコミュニケーション戦略を立てたことが奏功しました。「+tmr」が定義する髪の本質ケアである「タンパク質着目ケア」に追従しほかのブランドが立ち上がっているのも、「+tmr」の功績だと思っています。
──2025年に向けて見えてきた課題は何ですか。
テクノロジーが常に進化し、情報そのものが増えたこと、また生活者の眼識力が高まったことで、生活者のセグメントが細分化されたと感じています。それにより、タッチポイントが多岐に渡りオペレーションコストが増加傾向にあります。 加えて施策の本数が増えることで短期的な施策の検証のスピードと質を改善することの両立に課題があり、ショートスパンでPDCAサイクルを実現するための打ち手は継続して検討が必要だと捉えています。その課題解決に向けて体制や仕組みをアップデートしていきます。