ワイヤレス給電で覇権狙う日本 カギは米助っ人企業の技術!?【WBS】
スマートフォンを置くだけで充電できる仕組みは「ワイヤレス充電」と呼ばれていますが、現在は充電器から離しても電気を供給できる新たな「ワイヤレス給電」が注目されています。10日、走行するEV(電気自動車)に給電する技術の普及を目指す団体が発足しました。世界で開発競争が進む中、日本は主導権を握れるのでしょうか。 東京・墨田区にあるスタートアップ「エイターリンク」が開発しているのが、ケーブルなどを一切使わずに電気を送るワイヤレス給電のシステムです。 「送電機が天井に埋め込まれていて、マイクロ波が空間中に放射されている。緑色のLEDが点灯しているが、6本のアンテナが(マイクロ波を)キャッチし、電気エネルギーに変換してLEDライトをつけている」(エイターリンクの岩佐凌CEO) 1ワットの電力を最大17メートル先まで伝送できます。この技術を使って、ケーブルを使わずにオフィスなどの温度を管理するシステムを提供しています。温度や湿度を測るセンサーは、通常エアコン内部にありますが、こちらではセンサーは卓上にあります。 「上にある黒いユニットが給電機。下にあるのがワイヤレス給電対応のセンサー」(オフィスを管理する「サンフロンティア不動産」の本田賢二取締役)
ワイヤレスで電気の供給を受けているので、かさばるケーブルはありません。より人に近い位置にセンサーを置くことで、冷やしすぎや温めすぎを防ぐことができ、節電効果が大きいといいます。 「電気の使用量を減らせる。実証実験で29%。電気使用量が下がった」(本田取締役) エイターリンクは、今後様々なセンサーのワイヤレス給電化を進めていきたい考えです。 「防犯センサーはバッテリーで動いているものが多いが、2年に一度、現地に出向いてバッテリーを交換しなければいけない。配管裏の漏水センサーなど配線が難しいところにもワイヤレス給電機とセンサーが設置できる。あらゆるセンサーをワイヤレス給電化していきたい」(エイターリンクの岩佐CEO)