ワイヤレス給電で覇権狙う日本 カギは米助っ人企業の技術!?【WBS】
覇権を狙うカギはアメリカの助っ人企業の技術!?
このワイヤレス給電の本丸とも言われる分野に大きな動きがありました。10日に立ち上がった「EVワイヤレス給電協議会」。ワイヤレス給電の仕組みをEVを走らせることに使おうという組織です。 目指すのはケーブルやプラグを自動車につながなくても、地面に敷かれたコイルから車側のコイルに電力を供給できるシステムの構築。駐車場に停車するだけで充電ができ、さらには走行中に電気の供給を受けることも可能です。東京大学が行っている実証実験では、充電器の設置は1日程度で完了し、機器の露出も少ないため設備が劣化しにくいメリットもあるといいます。 協議会設立の背景を主導した企業の一つ「関西電力」の槇山実果執行役常務は「ワイヤレス給電を社会インフラとして整備していくために、やはり業界団体を持つのが必要」とその設立意義を語ります。 EVを巡っては、車載バッテリー市場で中国勢や韓国勢などの海外企業が先行しています。接触式の充電方式でも、世界標準をテスラなど海外勢に奪われる中、走行する自動車に給電して走らせるこの新たな分野で日本の逆襲を狙います。 「これから世界は『充電』から『給電』へと変わる?」(豊島晋作キャスター) 「そう変わっていくべきというのが我々の狙いであり思い。個別企業では対応しづらい。規格の標準化や政策に対する要望を業界全体で足並みを揃えていく必要が高まっている(関西電力の槇山執行役常務) 協議会にはホンダやマツダといった自動車メーカーのほか、タクシー会社や素材メーカー、建設会社など多種多様な企業が参加しました。 協議会に参加した「大成建設」の遠藤哲夫さんは「道路建設の立場として既に『無線給電道路』の研究開発を進めている。インフラ整備に向けての技術開発を着実に進めていきたい」と話します。 「世界で勝てそうか?」(豊島キャスター) 「世界の方がまだ今は進んでいる状況なので、何とか日本の技術で巻き返しを図っていければと思っている」(協議会に参加した「東レ」の高橋広樹さん)