出産は事故と同じ⁉ 無理すると更年期障害が悪化するとも。産後の過ごし方のポイントを助産師が解説
出産時の痛みも2ヶ月経てば…
「出産のお股の傷の痛み…想像以上に痛かったという声はよく聞きます。 私自身も、『お股とお尻が爆発、破壊された!』と言いながら、トイレは恐怖で行きたくないし、円座クッションなしでは生活できず、今後、ちゃんと椅子に座れる日はくるのか…なんて不安を抱えながら入院中を過ごしていたことを覚えています。 それもそのはず。妊娠出産によって、膣、肛門、骨盤底筋群、腹筋、ホルモンバランス等、すべてが大ダメージを受けているのです。 体質が変わるのも納得です(出産は全治2ヶ月の交通事故と同じと言われていますからね…帝王切開はその2倍とも)。 ですが、永遠に続くかと思われた痛みも、産後2ヶ月を過ぎた頃にはすっかり忘れてしまいました。そんな経験からも言えることは、『大丈夫。会陰切開の傷はきれいに治るから、時が経つのを待つのみ』ということです。 お股の痛みを早く回復させるコツを尋ねられることもありますが、『安静にする』。これに尽きます。 少なくとも産後1ヶ月は、自分のことと赤ちゃんのお世話以外のことは何もしないくらいの気持ちで、なるべく横になる時間を多くすることを強くお勧めします。 ・創部に重力による負担をかけない ・血流をよくさせる ・バランスのとれた食事で栄養をしっかりとる(タンパク質大事!) ・こまめに休息をとる これらがポイントです。 そして、これはお股だけでなく、産後の身体の不調すべてに対して言えることです(体型戻しにも有効ですよ!)。 そのためにも、周囲による産後のサポートは必須です。家族内での役割分担、産後ケアサービスや家事代行等の利用、あらゆるものを最大限に利用しながら、出産前から準備を整えていけるのが理想です。産後に無理をしてしまうと、更年期障害が悪化しやすくなるともいわれています。 自分のため、家族のため、かわいい我が子のためにも、ご自身の身体を最優先して労わってお過ごしくださいね」(岸本志織さん) 産後1ヶ月は安静にとよく言われますが、その時の無理が更年期にまで関わるのですね。ぜひ身体を労ってほしいと思います。 (取材/文・橋本真理子)
岸本志織さん
PROFILE) 助産院fillme代表。ママたちが心身を緩め、ご機嫌になることが、家族みんなの笑顔に繋がると考え、地域を中心に活動。妊活から、妊娠、出産、育児のことまでオンライン相談も実施。ベビーマッサージや性教育が得意。男児の母として、育児も奮闘中。 ※文中のコメントは「ウィメンズパーク」(2022年1月末まで)の投稿を再編集したものです。 ※この記事は「たまひよONLINE」で過去に公開されたものです。 ※記事の内容は2022年12月の情報で、現在と異なる場合があります。
たまひよ ONLINE編集部