『アンチヒーロー』最終回は「法廷シーンが38分38秒」 飯田和孝Pが明かす
俳優の長谷川博己が主演を務める、TBS系日曜劇場『アンチヒーロー』(毎週日曜 後9:00)の最終回が、16日に放送される。12年前に起こった糸井一家殺人事件の犯人として当時・検察官だった明墨から自白を強要された志水裕策(緒形直人)の冤罪にいち早く気がついた同僚の桃瀬礼子(吹石一恵)の遺志を継ぎ、冤罪を証明すべく奔走していた明墨ら。しかし、唯一の証拠である動画は検事正の伊達原泰輔(野村萬斎)によって消され、さらには緋山啓太(岩田剛典)の事件について証拠隠滅罪に問われた明墨は逮捕されてしまう。 【写真】未解禁キャストが登場 『VIVANT』出演の人気俳優 最終話目前にして全く結末を予想できなくなってしまったが、本作を手掛けた飯田和孝プロデューサーが最終話の見どころを赤裸々に語る。約4年間、構想を温めてきた『アンチヒーロー』に込めた思いとは。 ――登場キャラクターたちの名前には“色”を表す漢字が入っていますが、何か意味は込められていたのでしょうか? 法律ドラマではよく“白か黒かをはっきりさせる”といった形容がされるので、そこに対して、一緒に名前で遊べると面白いのではないかと最初に考えたのがきっかけです。もともと、主人公の名前は明墨と決まっていて、企画をブラッシュアップする中で、明墨だけでなく徐々に「登場人物の名前には色を含めよう」という方向になりました。例えば、“檜山”という苗字だったのを“緋山”に変えたり、沢原麻希(珠城りょう)の名前には“麻”の色の字を入れたり、統一したコンセプトに変えていきました。 ――それぞれの色に対するイメージは? 明墨の“墨”は黒と白と曖昧な感じを出していて、赤峰柊斗(北村匠海)の“赤”は熱量の高さを、紫ノ宮飛鳥(堀田真由)の“紫”はそこにちょっと冷静さを足しつつも内に熱いものを秘めている。この3人の色を掛け合わせると、ドラマのテーマカラー・至極色になるんです。そこは狙っていた部分でもありました。白木凛(大島優子)は企画書では「お嬢様だけどそこに反発しキャバクラで働くもやめて、そこから事務所に入ってくる」という設定だったんです。いろいろと含みがありそうで、実は一番真っすぐな思いを持った努力家だと考えています。青山憲治(林泰文)の青は、どんな“青”なのか私もまだ掴みきれていなくて(笑)。幅が広い色なので、どれを青とするかは人それぞれだと思うんです。例えば、TBSのコーポレートカラーを青という人もいれば、もう少し濃い色を青という人もいる。いろいろなものに溶け込める要素があると思います。 ――終盤にかけて桃瀬の存在も鍵になっています。どんなイメージやメッセージを込めたのでしょうか? このドラマの中で桃瀬は愛の象徴だったんじゃないかと。企画当初は“百瀬”にしていたのですが、ドラマは人間が動く以上、愛が動機になっていると思って“桃瀬”に変えたんです。改めて観てみると、もしかしたら彼女がこのドラマの軸になってるんじゃないかなと思いますね。第9話で桃瀬の思いと明墨が動いてきた理由の根源が見えましたが、そこに対して最終話は「それが明墨の本当の最終目的だったの?」と感じるはずなので、物語をどう締めくくるのかぜひ見届けてもらいたいです。