円高で「S&P500」や「オルカン」ってNGなんですか? NISAでこの2つをメインにしていたのですが、急に1ドル「160→140円台」になり驚きました。今後どうすれば良いでしょうか…?
三菱UFJ銀行 外国為替相場チャート表 米ドル/円
投資は「長期・積立」に加え「分散」が基本
「S&P500」や「オールカントリー」といった投資信託は、NISAのつみたて投資枠を活用した長期の資産形成との相性がばつぐんです。そのため、円高が進んだからといって、NISAを活用した「長期・積立」の投資スタイルを変える必要性はあまりないでしょう。 ただ、投資においては投資先を「分散」することも大切な要素です。その視点では、「S&P500」はアメリカ500社の銘柄、「オールカントリー」に至っては全世界の銘柄にリスク分散されていると言えます。 しかし、この2つの投資信託は、資産の種類が「外国の投資信託」であるため、資産の種類がかたよっているという考え方もあるでしょう。そのため、為替リスクなどが心配であれば、さらに資産の分散を進める方法も考えられます。 例えば、図表2にある金融商品を参考に、国内債権や、今後金利上昇が期待される預貯金・定期預金など国内安全資産のボリュームを増やし、安全性を重視して運用するのも選択肢の1つです。 図表2
金融庁 資産形成の基本 いずれにしても、リスク許容度や投資の目的は個々人で異なります。今一度、リスクと投資目的を見つめ直し、長期にわたって資産運用を実践することが大切です。
まとめ
長期・積立を前提に「S&P500」や「オルカン」をNISAで運用している人は、円高を過度に気にして、投資行動を変える必要性はないでしょう。しかし、いくら人気の海外インデックスファンドであっても、順調に利益が出続けるわけではなく、時期によっては、円高や株安で損失が発生するリスクも避けられません。 まずは、自分がどれくらいリスクを取れるのかを再度把握した上で、当初の目的を思い出して投資に取り組むことが重要です。大きく円高が進行したこの機会に、投資のスタンスや目的を改めて考えてみてはいかがでしょうか。 出典 三菱UFJ銀行 外国為替相場チャート表 金融庁 資産形成の基本 執筆者:松尾知真 FP2級
ファイナンシャルフィールド編集部