中国のLEDディスプレイ市場規模が拡大、産業集中度も向上
【東方新報】中国科学院半導体研究所の元所長で、半導体照明連合イノベーション国家重点実験室の主任である李晋閩(Li Jinmin)氏は26日、広東省(Guangdong)恵州市(Huizhou)で「技術の進歩と用途の拡大に伴い、中国のLEDディスプレイ市場は急速に拡大しており、産業の集中度も向上している。今、産業エコシステムが再構築されつつある」と述べた。 この日は広東省大亜湾で開催された洲明科技(Unilumin Group)の20周年記念イベントとグローバルエコパートナー大会が行われ、世界各地の業界関係者や専門家、パートナー、投資家が集まり、LED技術の将来の動向やその応用について話し合った。洲明集団の林洺鋒(Lin Mingfeng)会長によると、同社は現在、世界最大のLEDディスプレイ製造拠点を持ち、中国、日本、米国に研究開発センターを構え、160以上の国と地域に販売ネットワークを広げている。5600以上のパートナー企業と協力し、20以上の海外拠点も展開している。 洲明科技の成長は、中国のLED産業が「追随」から「並走」、そして「先導」するようになったことを象徴している。「20年以上の成長を経て、中国は現在、世界最大のLED生産・消費・輸出国となっている。半導体照明分野では、国内で完備した産業チェーンが整い、主要な設備は完全に国産化されており、特許の数でも世界をリードしています」と李晋闽氏は述べている。2023年の中国LEDディスプレイ市場の規模は約750億元(約1兆6169億円)に達している。 現在、中国のLEDディスプレイの用途はさらに広がっている。たとえば、XR(現実と仮想空間を組み合わせた技術全般)用のバーチャルスタジオスクリーンでは、中国企業がこの分野で世界最大の供給ネットワークを築いている。また、シネマスクリーンなどでも、すでに20以上の製品がDCI認証を取得し、北京市、上海市、広州市(Guangzhou)などの都市で導入が進んでいる。さらに、LED一体型ディスプレイの出荷量は3年連続で安定した成長を見せており、昨年は5000台を超える出荷台数を記録して15パーセントの増加となった。マイクロLEDも、ウェアラブルデバイスや高級大型テレビでの導入が始まっている。 李晋閩氏は、政策の支援や技術・コンテンツのアップグレードにより、LEDディスプレイ産業は今、大きな発展のチャンスを迎えていると述べている。小間隔やミニLED製品の普及が進み、国内外のLEDディスプレイ市場の需要は今後も成長が続くと予測されている。2023年には、洲明科技、利亜徳(Leyard)、艾比森(Absen)、雷曼光電(Ledman)、聯建光電(Lian Tronics)、奥拓光電(AOTO Electronics)の上場6社のLEDディスプレイ売上が合計217.83億元(約4696億3712万円)に達し、市場全体の30パーセントを占めている。また、トップ20企業の売上合計が全国市場の50パーセントを占めている。 LEDディスプレイ企業は、単なる製品製造からシステム提供へと進化し、製品だけでなく、システムやコンテンツの提供にも注力している。業界の専門家は、今後のLED技術は、より高い集積度、高密度、そして小型化に向かうと予測しており、ミニ/マイクロLEDがその中心になると考えている。今回のグローバルエコパートナー大会では、洲明科技がミニ/マイクロLED、バーチャル撮影、舞台レンタルなどさまざまな分野での技術成果を披露し、新しい製品を発表した。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。