伊澤星花×RENAはジョシカクの起爆剤になり得るか 五輪でもプロレスでも際立った女子の躍進
ウナギ・サヤカの指摘に好感
一方、スターダムでは2022年10月に同団体と袂(たもと)を分かったウナギ・サヤカが2年ぶりに復帰。同団体の人気選手・中野たむと一騎打ちを行い、敗れはしたものの、ウナギは一部メディアでタイトル戦を実施しなかった同団体の姿勢の甘さを指摘。「クビになった女をこんないい番手で出すような岡田太郎は、ロッシー小川を超えられないと思う」と岡田社長を批判したが、自由な言論が許されている雰囲気には好感を持った。 時代錯誤の言論統制は、ジャンルの成長を阻害する。選手や関係者、メディアによる自由闊達な丁々発止がジャンルの活性化を呼ぶからだ。 おそらく令和女子プロレスは、今年もこのウナギや、昨年の女子プロレス大賞に輝いたSareeeを中心に、内外に向けて大きく話題を振りまいていくことは必至。もちろん、さらなる市場規模の拡大を狙っていくに違いない。 そんな中、なぜか大きく遅れを取ってしまったのが女子格闘技だろう。 昨年は“お騒がせ格闘家”のぱんちゃん璃奈が春頃開催された「巌流島ヴァーチャルサバイバル」でルシア・アプデルガリムに顔面を変形させられ、都知事選では彼女のポスターが数十枚並ぶなど、さまざまな意味で話題を呼んだが、女子格闘技で話題を振り撒いたのは彼女くらい。2023年には大麻不法所持で逮捕→不起訴と世間を賑わせた、もう一人の“お騒がせ格闘家”のKINGレイナも昨年は鳴りをひそめていた。 強いてあげれば、“フライ級クイーン・オブ・パンクラシスト”の杉山しずかがベストボディジャパンで日本一の肉体美を披露し、話題を呼んだことで多少なりとも女子格にスポットは当たったが、そこから爆発的な何かが生まれることはなかった。 また、本来であれば、年末のRIZINでは、“RIZIN女子スーパーアトム級王者”の伊澤星花が“ツヨカワクイーン”RENAと頂上決戦が実現するところまで行ったようだが、RENAが海外での練習中に怪我を負い、実現は今年以降に持ち越しとなった。 伊澤は大みそかのRIZINでは、ぱんちゃんをボコったルシアを140秒殺したかと思うと、RENAに対し、「この試合を見たらもっと怖くなって、ビビってもう出てこないかなと思います」と自信たっぷりに言及。「格下の相手とやってもしょうがないんで、もっと世界の強い選手と闘わせてください」と続けた。 伊澤は世界最大の総合格闘技団体UFCでも通用するとの声もあり、それだけ才能を高く評価されているが、いかんせんライバルがいないのが痛い。良くも悪くもライバルの存在こそがファイターを光らせるからだ。