累計7500万本売れた「豆腐バー」豆腐業界の常識を覆すヒットの理由に迫る!
「豆腐バー」で世界を狙う~「ぜんぶとうふ化作戦」
フランス・パリ。10月に池田が訪れたのは「シアル・パリ」。約130の国と地域から7000社以上が出展するヨーロッパ最大級の食品見本市だ。 「豆腐バー」は海外でも売られている。4月からはシンガポール、11月から香港・台湾でも販売を開始。その勢いで、次に狙うはヨーロッパの巨大市場だ。 池田はこの日のために新商品を用意していた。 「『スモーク豆腐バー』。本当に燻製しています。ワインに合うように作りました」(池田) ワイン好きが多いヨーロッパ向けの商品だ。 試食をしてもらうと、「チーズみたい」「おいしい」と、味の評価は上々。だが、かじりつく食べ方には抵抗があるようだ。 「日本でこんなに売れているのだから、ヨーロッパでもバーで攻め込むぞと思ったけど、“世界征服”するにはいろいろ方法を考えないといけない。この形態がバーである必要はないのかもしれないです、ヨーロッパでは」(池田) 一方、日本国内でも市場を拡大しようと進めている新事業がある。 「やよい軒」で客が食べているのはアサヒコの「大豆ミート」を使った「しょうが焼き」だ。原材料が大豆だから、脂質を抑えて植物性のタンパク質をとることができる。肉に近い食べ応えで満足感が得られると、注文する人も多い。
他にも「野菜炒め」「なす味噌」など、「やよい軒」では、3種類の大豆ミートメニューを提供している。 アサヒコが大胆に進めているのは「ぜんぶとうふ化作戦」だ。 「日常で食べるものを全部置き換えていって、『全部豆腐を食べてください』ということではなく、その中でチョイスしながら自分の食生活に合わせて選べるような形にする。それで少しでも植物性タンパク質をとれる機会を増やしていこうと思っています」(池田) すでにスーパーなどでは大豆ミートを使った料理キットを展開中。「ライフ」セントラルスクエア押上駅前店では「焼肉」「生姜焼き」や「ガパオ」「豆腐のミートソースかけ」から、豆乳で作った「プリン」などのデザートまで、まさに「豆腐のフルコース」を展開している。