バイクのヘッドライトはなぜ常時点灯? 昼間オフでも違反にならない車種とは?
昼間はヘッドライトオフでOKなDRL
以上のように、現在、バイクはヘッドライトの常時点灯を義務化されていますが、最近は、昼間にヘッドライトを点灯しなくてもいいモデルも出てきました。それは、「DRL(デイタイム・ランニング・ランプ)」を装備しているバイクです。 DRLは、法規上「昼間走行灯(デイライト)」と呼ばれており、昼間の被視野性を高めるための装備です。4輪車では2016年から装着が認められていましたが、バイクは、これまで対象外。それが、2020年(令和2年)9月に保安基準が改正され、DRLの装備も可能となりました。 これにより、DRLを備えるバイクは、昼間にヘッドライトを点灯しなくてもいい、つまり常時点灯式でなくてもよくなったのです。 DRLは、元々、欧州などでは以前から義務化されていた装備で、昼間の被視認性を向上させるだけでなく、バッテリー消費量を常時点灯式より少なくできるメリットもあります。また、フロントフェイスにインパクトを与えるなど、デザイン的な効果も期待できます。 国産バイクでは、例えば、ホンダのX-ADVやCRF1100Lアフリカツインなど、海外でも販売するグローバルモデルに搭載例が多いといえます。 ちなみに、X-ADVの場合、昼間はDRLのみ点灯。周囲が暗くなり夜間になると、自動でヘッドライトに切り替わるオートライト機構を採用しています。なお、法規上、ヘッドライトとDRLを同時に点灯させることはできないため、ヘッドライト点灯時にDRLは、ポジションライトの明るさまで減光する仕組みになっています。 国産バイクの場合、DRLを採用するモデルはまだまだ少数派ですが、海外モデルにはDRL搭載車もかなりありますし、顔付きなどを個性的にできるメリットなどを考えると、今後は、さらに増えていくことが予想できます。 クルマでは、最近、かなり一般的になってきたDRL。バイクでは、最近解禁されたばかりですが、近い将来、トレンドのひとつになるかもしれませんね。 *写真やイラストはイメージです
平塚直樹