「自分は被害者」「上司が間違ってる!」反抗的な部下、北風と太陽のどっちで対応すべき?
他にバランスが欠如している事例としては、ローパフォーマーに対しては厳しく叱り、ハイパフォーマーに対して甘い言動になる上司がいます。 「数字が良いハイパフォーマーは会議に遅刻しても叱らないのに、成績不振のローパフォーマーが遅刻したら叱る」などのダブルスタンダードが続くと、当事者だけでなく組織全体のモラルが失われ、「うちの上司は結果しか見ない」「結果が出せなければどんな行動も無駄」「結果を出せば何をしても許される」というメッセージが蔓延します。 「ローパフォーマーでも良い行動はほめる」「ハイパフォーマーでも良くない行動は指摘する」ことが重要です。 ローパフォーマーであっても、会社の期待に応える意識や行動に対しては、どんどんポジティブなフィードバックを与えるべきです。それが、必要なときにネガティブフィードバックが効果を発揮する信頼関係の土壌になります。 つまり、「効果的な叱り方」と「効果的なほめ方」は連動しているということです。間違った叱り方だけでなく間違ったほめ方をすると、部下の自己認識を誤ったものにする可能性があるだけでなく、部下の成長が止まってしまう恐れもあります。
● 部下が自分で「変わりたい」と 思うまでの4フェーズとは 人の行動は、そう簡単には変わりません。人が変化を受容するまでに4つ(否定・抵抗・探求・決意)の心理的フェーズがあります。 ネガティブフィードバックを実践する際に、いくつかのステップを踏んで行なうのですが、特に最初の段階で、部下が上司から言われたことに対し、否定的な態度を取ったり、簡単に承服せずに抵抗の姿勢を見せたりする場合があります。この「否定」と「抵抗」のフェーズをいかに乗り越えられるかが重要です。 そこを乗り越えれば、「探求・決意」という部下自身に変わりたいという意思が芽生えてきます。 1つめのステップは、「否定フェーズ」。 厳しいことを伝えられ、「予期せぬ変化」や「望まない変化」を求められて、いきなり「心を入れ替えて頑張ろう」「はい、わかりました。私は変わります」と、すぐに受け入れられる人は稀で、「自分には関係ない」「自分は変わる必要がない」という否定的な反応がふつうです。