事業環境に大きな変化…三井化学と出光、千葉のエチレン設備集約へ
三井化学と出光興産は9日、千葉県の出光のエチレンプラントを停止し、三井化学のプラントに集約する検討について基本設計を始めると発表した。2027年度をめどにプラントを統合し、現行の有限責任事業組合(LLP)を継続した共同運営を想定する。実際に集約するかどうかの意思決定の時期は25年度下期と見込む。 【一覧表】総合化学5社の決算詳細 事業化調査でエチレンプラントの集約による原料調達や対象製品の生産・供給体制への影響などを確認した。今後、集約に必要となる設備改良や、事業運営の仕方、その上での経済合理性なども協議し、検討していく考えだ。 石油化学業界は、中国を中心とした大型プラントの新増設や国内のエチレン需要の減少といった大きな事業環境の変化に直面している。国内のエチレンプラント稼働率も好不況の目安となる9割を切る低稼働の水準が長期化しており、生産最適化の重要性が増しつつある。 三井化学は旭化成、三菱ケミカルグループと共同で西日本のエチレンプラントの脱炭素実現に向けた連携の検討も始めている。