【保存版】『鬼滅の刃』の儲ける仕組み、売上爆増させた…前例のないプロモ戦略とは
【図解】100年の歴史で最高額? 鬼滅の関連売上の内訳とは
鬼滅前と鬼滅後でアニメ産業そのものが変わった。そのピーク1年間での収益は小売ベースで約1兆円。これはポケモンやハローキティが最盛期に「全世界で消費された経済圏」規模であり、これがまだ国内数字が大半の時期と考えると日本キャラクター史の100年もの歴史でワンショットの最高額と言って良い。 このうちアニプレックスに入った想定収益はロイヤリティなど含めて500~700億円。コストももちろんTVアニメ5億、劇場版10億円、さまざまな宣伝素材など1シーズン数十億円もかかっただろうが、それでも驚く利益が出たはずだ。実際にアニプレックスの営業利益は294億(FY2019)→535億(FY2020)→362億(FY2021)でこの年に200億円以上膨らんでいる様子をみれば、『鬼滅の刃』のインパクト恐るべし、といったところだろう。 経済圏としては2020年1兆円に対して、2021年5,000億円、2022年2,000億円と減少傾向だが、もとより過去の記事で分析してきたように、ドラゴンボールやONE PIECEなど、トップ作が年間3,000~5,000億円規模であることを前提とすると、十分なトップ作品水準と言える。 『鬼滅の刃』の2020年だけがエポックメイキングすぎたのだ。いまだ実現していないが『鬼滅』のモバイルゲームが成功すればこの数字はさらに強大なものになるだろう。 2025年は2016年2月マンガ連載から10年、この周年タイミングは『鬼滅の刃』のさまざまな再活性化が予想される。アニメ『鬼滅の刃』もシーズンごとにクオリティを増しており、『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』は3部作制作が発表済。2025年以降、2029年のアニメ10周年のタイミングに向けて、鬼滅は日本アニメビジネスの最前線を開拓しつづける金字塔となっていくことだろう。
■お詫び[2024/12/26 11:15修正] 一部、記事内の情報を修正させていただきました。ご迷惑をおかけした読者ならびに関係者にお詫び申し上げます。 (1) 【元】1989年生まれの女性漫画家だ。 【修正後】1989年生まれの漫画家だ。
執筆:エンタメ社会学者、Re entertainment代表取締役 中山 淳雄