国民健康保険料が高すぎる!その理由と対策を徹底討論!対談 内藤眞弓×笹井恵里子
内藤 以前は、退職時の標準報酬月額(毎月の給与を一定の範囲ごとに区分したもの)か、加入者全体の標準報酬月額の平均のいずれか低いほうを基に計算する、というルールがあったので、収入が高い人ほど任意継続を選ぶと〝お得〟だったのです。しかし2022年1月から退職時の標準報酬月額に基づいて保険料を決められるよう法改正され、必ずしも任意継続が有利とはいえなくなりました。(注1) ―任意継続を選んだ場合の保険料と、居住する自治体の国保料を調べて低いほうを選ぶ、ということですね。 笹井 そうです。先ほど言った私の知り合いも居住する役所に足を運んで自分の国保料を調べ、任意継続の場合は月約9万円、国保は約6万円だったため、国保に加入したそうです。国保を選ぶ場合は、家族全員分でいくらの保険料になるかも確認したほうがいいです。被用者保険は扶養者が何人いても保険料は同じですが、国保には扶養の概念がなく、世帯人数に応じて「均等割」などの保険料の上乗せがあります。世帯3人なら「3人分でいくらか」を確認しなくてはなりません。 ◇国保はなぜバカ高なのか ―保険料がいくらになるのかは、どうやって調べればいいのですか。 笹井 役所の窓口で尋ねるか、ほとんどどこの自治体のホームページにも国民健康保険料のシミュレーションがあるので、そこで確認したらいいと思います。 内藤 保険料以外にも給付サービスを確認することも忘れずに。組合健保によっては、法定の高額療養費制度より有利になっていたり、健康診断などのサービスが安く利用できたりすることがあります。任意継続でも引き続きそうした付加給付やサービスが利用できるところが少なくありません。 笹井 組合健保は高額療養費制度が充実していると思います。国保の自己負担限度額は最低ラインですが、組合健保は医療費自己負担上限額が月2万~3万円程度というところもあり、恵まれているなあと思います。 組合健保や協会けんぽに加入する人は、病気やケガで仕事を休んだ時に生活保障として公的医療保険制度から「傷病手当金」を受け取れますが、国保加入者にはそうした手当がありません。出産にかかる費用にあてる出産育児一時金は国保にはあるのですが、出産のために仕事を休んだ時の「出産手当金」が国保にはありません。格差が大きいと思います。