【プレミアプレーオフ】プレミア創設から10年以上が経過 プレミアPOは12月の風物詩に
2日間に渡って行われた高円宮杯U-18サッカーリーグ2024プレミアリーグプレーオフ(参入戦)は東京ヴェルディユース、浦和レッドダイヤモンズユース、ガンバ大阪ユース、アビスパ福岡 U-18の4チームが各ブロックを勝ち上がり、来季からのプレミアリーグ昇格を手にした。 【フォトギャラリー】京都サンガF.C. U-18 vs 浦和レッズユース 参加した16チーム中12チームがJリーグのアカデミーで、この大会後に公式戦を残すのは年末からの選手権を控える岡山学芸館、高川学園、日章学園の3チームのみ。3年生にとって高校ラストマッチとの意味合いも強く、試合後は保護者、サポーターと記念撮影を行なう姿が見られたのも今大会の光景で、プレミア創設から10年以上が経過し、12月の風物詩となりつつある。 そうしたお別れの場としての意味合いとは少しニュアンスが違ったのは浦和ユースだ。チームの指揮を執る平川忠亮監督は現役時代をチーム一筋で過ごしたバンディエラ。引退後の2019年からユースのコーチを務め、この春から監督に就任した。 指導者としてのキャリアを積み重ねてきても立場が変われば、選手へのアプローチも変わる。「この1年間で得たものは多すぎますね。監督ってこんなに大変なんだって。子どもたちではあるけど1人の人間でもある。試合に出られなければ不満が出る。そうした色んなマネジメントもそうだし、選手たちを成長させていく指導力もそう。今は指導する際の言葉遣いも難しい世の中で、どういう言葉遣いをすれば選手を引っ張り、熱くさせるのか。色んな勉強ができたというか、教えてもらった感じがします」。 平川監督は来季からFC琉球の指揮官に就任することが決まっており、今大会は浦和ユースの監督として挑む最後の大会だが、惜別の雰囲気はチームになかった。「みんな内心ではひらさんを笑顔で送り出したいと思っていたし、絶対に勝ちたい気持ちもあった。でも、自分たちはまず目の前の1試合に集中して勝つだけだと思っていたので、あまりひらさんのラストマッチだという声掛けはしなかった」。 そう振り返る主将のDF28阿部慎太朗(3年)は続ける。「琉球の監督になると聞いてショックもあったのですが、ユースのテーマがチャレンジ&ポジティブ。ひらさんはいつも僕たちにチャレンジしろと仰ってくれていたので、ひらさん自身がチャレンジするのは当たり前。悲しい気持ちはあったのですが、応援したい」。 平川監督のラストマッチを制し、4年ぶりのプレミア復帰が決定した直後。最後のミーティングでは「満足しないでほしい」と選手に伝えたという。「(負けた)京都の選手たちはあれだけ大泣きをしていた。昨年、自分たちは大泣きするほどの悔しさがあったから、ここまで成長できたけど、プレミアに行けたことで満足していたら、恐らく京都の選手たちに越されるよと話しました。これで終わりじゃないし、ここからが逆に難しい。嬉しかったで終わった後にどれぐらい努力できるのか。本当に悔しさを味わった奴らより努力できるかは難しい。そこをやってくれと伝えました」(平川監督)。