10.27の総選挙後、日経平均が上昇するとは限らない、上値余地は限られており、下落リスクも消えていない
■「選挙まで株高」でも「選挙後も株高」とは言えない 1990年から2021年までの「衆議院選挙と日経平均株価」をみてみると、確かに「解散日から投票日までの株価」でみると、このアノマリー(経験則)はあてはまるようだ。 だたし、これに関しては日本株に大きな影響を与える米国株がこの期間、たまたますべて堅調だったことが大きいのではないか。もし米国株が下落していたら、日経平均株価も下落していた可能性もあることに留意したい。
一方、「投票日から選挙50日後の日経平均株価」をみると、株価はすべて上昇ではない。上昇も下落もあり、とバラバラなのだ。結論を言うと「解散から総選挙までは株高だが、選挙後は株高とは言えない」のだ。 では、どのようにバラバラなのか。株価のパフォーマンスのいい年順に列挙すると、もっともよかったのは2012年で+20%(政権交代で第2次安倍内閣が発足、アベノミクスが開始)。 以下2005年の+16%(「郵政解散」で与党が圧勝、第3次小泉内閣)、2017年の+11%(与党圧勝、第4次安倍内閣)、2014年の+8%(与党圧勝、第3次安倍内閣)、2003年の+3%(第2次小泉内閣)と、政策期待が高い長期政権ほど、株価は上昇していることがわかる。ちなみに、第2~4次安倍内閣の8年弱で、日経平均株価は129%上昇している。
逆に、パフォーマンスが悪い年順に列挙すると、1990年の-21%(第2次海部内閣)、1996年の-10%(第2次橋本内閣)、2009年の-7%(民主党の鳩山内閣)と、短命政権ほど株価が下落している。 例外は、2021年の-3%(与党勝利の第2次岸田内閣)だ。その後、岸田政権は2022年5月5日に「インベストイン岸田」をスローガンに英国のロンドンで基調講演を行い、「資本主義4.0」による日本経済の変革と成長を売り込んだだけでなく、新NISA(少額投資非課税制度)導入や東京証券取引所の改革などもあり、3年で36%株価は上昇した。