春闘2025 過去最高の賃上げ要求も…【Bizスクエア】
流通や外食などの労働組合「UAゼンセン」は、ベアと定期昇給分を合わせて全体で6%、パートなどの非正規雇用で働く人は7%とする方針を発表した。 こうした中、政府は12月6日、全ての世代の賃金、所得を増やすことを最重要課題とする、来年度(2025年度)予算編成の基本方針を閣議決定した。今後は価格転嫁や生産性の向上を通じて、中小企業の賃上げに広がるかが焦点となる。 経済同友会 新浪剛史 代表幹事: 大手企業は別にして、中小企業をどうするかが一番重要な問題。(中小企業の)賃金が上がっていく画をちゃんと描けないと、全体の賃金が恒常的に上がる画は描けない。中小企業がちゃんと上げられる仕組みを作っていく。 ■過去最高の賃上げ要求も 賃上げ実現に何が必要? 2025年の春闘に向けた動きが始まり、2024年を上回る要求が続々と出ている。労働組合の賃上げ要求目標をみると、連合の「全体5%以上」「中小企業6%以上」の要求を皮切りに、自動車・電機・鉄鋼・重工などの労働組合で構成される金属労協は過去最高水準のベースアップ1万2000円以上を要求する方針。私鉄総連はベア1万3400円、流通や外食のUAゼンセンも全体で6%、パートなど非正規は7%と強気な要求が目立っている。 ――金属労協がベア1万2000円以上、20%アップの要求を出してきた背景は? 東京大学名誉教授 伊藤元重氏: 思ったより高い要求を出してきた。最大の理由はやはり労働力不足だろう。深刻さでいうと、去年より今の方がかなり厳しく、賃上げの大きな圧力になっている。ここで賃上げが衰えると失速感がより強い。だから何とかして賃金を上げたいという思いが関係者に強いのではないか。 ――連合が「全体5%以上」と言っていて、これは2024年と同じだが、中小企業は「6%以上」とより高い賃上げ要求を出してきた。 東京大学名誉教授 伊藤元重氏: これまでは中小企業の方が、大手企業よりも低かった。長い目で見て、中小企業はもっと上げてもらいたいという思いがあると思う。実際にそうなるかどうかまた別の話だ。