「ポメラート」クリエイティブディレクターが語るジュエリーの魅力
── ハイジュエリーをデザインするうえで大切にしていることはありますか? ヴィンチェンツォ ハイジュエリーとファインジュリー、双方のコレクションがお互いに語り合えるようなつながりを持たせることです。ハイジュエリーには当然稀少な石がたくさん使われていますし、デコラティブなデザインも多いのですが、それだけが一線を画してまったく別のものにならないように、どこかに必ず「ポメラート」らしさを取り入れるよう心がけています。 だから高価ではありますが、「ポメラート」のハイジュエリーは日常でも使いやすいのです。これは言わば私たちのミッション。レッドカーペットの上だけでなく、もっとさまざまなオケージョンでハイジュエリーを楽しんでいただきたいですね。
── 今回のイベントのためにデザインされたハイジュエリーコレクション『サイレントグレー フラワーズ』の特徴を教えてください。 ヴィンチェンツォ 『サイレント グレー フラワーズ』はポメラートのクリエイティブな歩みにおける重要なマイルストーンとなるコレクションであり、メゾン初の完全なフローラルパリュールです。日本庭園の静かで穏やかな美しさにインスパイアされ、これまでのデザインの歴史から大胆に脱却したものと言えます。ポメラートの豊かなアーカイブを振り返ると、メゾンが1967年以来チェーンの制作を得意としてきた一方で、フローラルモチーフにはこれまで挑戦していなかったことがわかります。だからこそこのクリエイティブな進化は、金細工の伝統を尊重しながらも、ポメラートのデザインコードにおいて刺激的で新たな章を切り開くものになりました。 ── グレーや深いブルーなど、シックな色石で花を表現しているのが新鮮です。 ヴィンチェンツォ 微妙にニュアンスが違うダイヤモンドやサファイアなどを使って、ミニマルなデザインに仕上げました。グレーという色はとてもエッセンシャルな色。日本には砂の上に模様を描き、水の流れや宇宙を表現する「枯山水」という文化がありますよね。水を使わずに、水の流れや光と影を感じさせる日本ならではの繊細な美的感覚を、この『サイレント グレー フラワーズ』では表現しています。 また、アシメトリーなデザインやあえてカットが異なる石を使い、イレギュラーなバランスにすることで、「ポメラート」らしさも表現しています。ネックレスはトップのチャームのみ取り外すことができる2wayで、さまざまな付け方を楽しめるので、着用するシーンが広がります。