【26年W杯「森保ジャパン」のメンバー26人とは。順当&抜擢を展望する(2)】ボランチの“4人目”の枠は、WBは選手起用の“再評価”もあり得るか……最も読みにくいFWは”ロス世代”の台頭も
■再評価されるであろうWB
左右のウイングバックは攻撃的なキャラクターを揃えるが、三笘薫(ブライトン)、伊東純也(スタッド・ランス)、堂安律(フライブルク)は順当で、中村敬斗(スタッド・ランス)は限りなく順当に近い有力と見る。前田大然(セルティック)もFW、シャドーとの3ポジションで計算できるため、有力だろう。 ただ、攻撃的とは言いながら守備のスタンダードがハイレベルに求められるため、他のどのポジションよりもコンディションの見極めが必要だ。また世界と戦うにあたって、より守備的な選択を迫られる可能性もあり、この記事のDFのところで書いた通り、菅原由勢や橋岡大樹、関根大輝、現在は外れている毎熊晟矢など、サイドバックの選手が再評価される可能性もあるポジションだ。同じ流れで、4バック回帰も当然ありうる。 最終予選の中で上記の三笘、伊藤、堂安、中村、前田は全ての選手が2シャドーでも起用されており、彼らに関しては柔軟にシフトできる。そうは言っても3ー4ー2ー1を継続したほうが、例えば右なら伊東と堂安、左であれば三笘と中村を同時に起用することもできるため、森保監督としてもタレント力を生かした、豊富なオプションを考えていきやすい。攻撃的なウイングバックは現時点でも世界で戦えるメンバーが揃っており、新しい選手が割って入るのはかなり難しい。 そのため26人のリストに入れることはできなかったが、斉藤と同じくチャンピオンシップで奮闘する平河悠(ブリストル・シティ)はタイプ的にも、このポジションにピッタリの人材で、左右のサイドをこなせるという意味でも、競争に食い込んできてほしい一人だ。現在のメンバーにいないタイプという基準では、右サイドからの鋭いカットインを武器とする坂元達裕(コヴェントリー・シティ)も面白い。
■最も読みにくいFWの選考
FWは結果がダイレクトの評価につながるポジションだけに、1年半後の選考が最も読みにくい。 その中で上田綺世(フェイエノールト)と小川航基(NECナイメヘン)の二人がリードしているが、ドイツ1部で現在6得点を記録している町野修斗(キール)は十分に逆転のチャンスがある。上田と小川はポジションと役割の関係から二者択一になりがちだが、町野は185cmのサイズながらスピードもあり、前回の招集メンバーである大橋祐紀(ブラックバーン)と同じく、シャドーで稼働することも見込める。 古橋亨梧(セルティック)をどう組み込むかは”森保ジャパン”が世界で戦っていく1つのテーマになりそうだが、アウェー中国戦で少し明るい兆しが見られた。ただ、最終メンバーに入っていくには代表戦でも結果で示していく必要がある。ここからセルティックに留まり続けるか、イングランドのプレミアリーグにステップアップがあるのかどうかも鍵になりそうだ。 古橋の同僚である前田に関しては左ウイングバックが代表での第一ポジション、シャドーがオプションになりつつあるが、世界が相手となってくれば、抜群のスピードを最前線で生かすことも考えられる。怪我で離脱していた浅野拓磨(マジョルカ)も、すでにクラブではスタメン復帰を果たしており、世界最高峰の1つとされるラ・リーガで得点を積み重ねることができれば、そのままアピールになるだろう。 ただ、クラブでは4ー4ー2のサイドハーフが主戦になっているため、2シャドーやウイングバックでの起用が、さらに増えていくかもしれない。 FWは本大会での選考が最も読みにくいポジションであり、それだけに若手の逆転も十分に可能だ。今回26人のリストに入れることはできないが、細谷真大(柏レイソル)などパリ五輪世代のFWはもちろん、ジュビロ磐田からベルギーの名門に完全移籍を果たした19歳の後藤啓介(アンデルレヒト)を筆頭に、慶應大学から卒業を待たずに海を渡った塩貝健人(NECナイメヘン)など、ロス五輪世代から一人でも多く、森保監督の目に留まるようなブレイクを期待して、来年の国内外での選手たちの躍動に期待していきたい。 (取材・文/河治良幸)
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