【全文掲載】小橋建太と井浦新がトークバトルでコスチュームデザイン激論!「新さんがオレンジへの未練を断ち切ってくれた」「小橋さんの炎は一番熱い紫の炎」
――小橋さんが入場時に着てきたガウンが三沢さんと闘ったときのもの、井浦さんが着てきたガウンは小橋さんが引退時に着てきたガウン。三沢さんとの試合のときの映像が今日は用意されているということで…… (※2003年3月1日の日本武道館大会 小橋建太vs三沢光晴戦のダイジェスト映像が流れる) ――このコスチュームの紫の炎は…… 井浦「……あっ、ちょっと(映像を)見たいですね」 ――小橋さん、このガウンを着て入場したときの気持ちは 小橋「新さんがデザインしてくれたガウンっていうのは、最初薄い生地だったんです。薄い生地で」 井浦「そうなんです。ナイロンでスポーティに作ってみたんです、最初は」 小橋「それがこんな分厚い。これはね、裸の上に着るもんですよ(笑)スーツの上に着るもんじゃない。暑かったです(笑)」 井浦「久々に見ると結構毛羽立ってるんですけど、作りたてのときって分厚いベルベット素材だったんです。でも、洗っていって……(※映像の中で小橋が場外で頭からぶっ刺される)ああっ!!……僕はこの試合見てて、作らせてもらったガウンやコスチュームを小橋さんが着てるってよりも、なんか今まで『今回はどんな試合を見せてくれるんだろう』って無責任に一方的に無責任にワクワクしていたんですけど、コスチュームで小橋さんと関わらせてもらってから、どこかで試合を楽しめなくて。『怪我しないでください』って気持ちが勝っちゃうっていうか。この試合で、三沢さんも小橋さんも塗り替えてしまったじゃないですか、プロレスを。(※映像の中で小橋が三沢さんをひどい角度でぶっ刺す)うわぁっ!!」 小橋「これね、三沢さんのヒザが顔面に入って、顔面骨折。三沢さんもアゴを何針か縫って……まあ、そういうこともあるよ(笑)」 (※映像がちょうど小橋さんがバーニングハンマーを決めて試合が終わり、観衆は大喝采) ――ファイナルバーニング(引退時)のガウンにはどういう思い入れがあるか 井浦「小橋さんに何バージョンもガウンを作っていて、その度にブラッシュアップしてるんですよ。例えば、これはリングに上がるまで顔を見せたくなくて。(フードを)被るとストンって落ちるんですけど、小橋さん実際これ歩きづらかったんですよね(笑)これをどうにかしていきたいなと思って。最終形態が、ここにワイヤーを入れて自分で角度を作れたりとか」 小橋「だから、これが1つのポーズになったんだよね」 ――小橋太っ太さんが真似するやつ 小橋「太っ太が真似すんの?あの野郎!(笑)」 井浦「当時は装飾メインだったんで、とにかく光が当たったときにキラっとするようにとかの工夫をしていたんですけど、最終的には汗の問題とか、暑さとか、身体にまとわりつかないように裏地はメッシュにしていって、それでも表はベルベットだったりとか。洋服的にはファッション的な要素だけじゃなくて機能的なものも、見た目と機能をとことん重視して」 小橋「このトーク、僕も聞いてなかったんですよ、そういうことは」 ――小橋さんも汗の問題は気になっていた? 小橋「気になりました(笑)」 井浦「気持ちよく入場出来ないのって良くないじゃないですか。そこをサポートさせていただいているんで、『見た目だけじゃダメなんだな』って、僕自身も勉強になりました」 小橋「カッコいいねえ!(笑)」 ――小橋さんの中でお気に入りのコスチュームは 小橋「やっぱりね、一番最初に黒に変えたときに、軽いナイロン素材の。あれはディファ有明で変えたんですけど、入場時に皆に姿を見せたときに、『オォーッ!!』って皆が反応してくれたんで思い出深いですね」 ――井浦さんの小橋建太愛をお聞きしたく。好きな技を挙げていただくと映像が流れるかも知れない 井浦「ホントですか?好きな技はいっぱいあるんですよね~」 小橋「昔、ドラマで握りこぶしを作って、ラジアントかなんかで」 井浦「(ドラマに出たときに)小橋選手とKENTA選手へのオマージュでgo 2 sleepと小橋さんのラリアットをどうしてもやりたいって言ってやらせてもらいました」 小橋「前に、僕がドラマに出たんです。僕がドラマに出たときに、新たさんに連絡して、今度ドラマ出るんですよって。何時にどこどこつって。言ったら見てくれて。『いやあ、上手いですよ』って。上手いわけないんですよ(笑)気分は一流俳優ですよ(笑)」 ――小橋さんの演技は実際どうだった? 井浦「……とても、ナチュラルでした(笑)」 小橋「…………(笑)」 (※井浦さんが好きな技としてオレンジクラッシュを挙げるも映像の用意は無し) 井浦「オレンジクラッシュは良い技だと思うんですよ。ブレーンバスターから前に落とす。僕が好きな技の系統っていうのは、垂直落下系が好きみたいで。自分でも頭の中でイメージするときは、持ち上げてから垂直に落としてる。その中でもオレンジクラッシュは早かったと思うんです。高く上げてから頭から落としていくのは、『こんな夢みたいな技があるんだな』って思った記憶があります。垂直落下といえば、垂直落下式ブレーンバスターですよね」 (※小橋が本当に垂直に落下させる垂直落下式ブレーンバスターの映像が流れる) 井浦「どんな選手にも出せる技じゃないですよね。受けられる選手もある程度限られるというか、本当に首、イってしまいますね」 小橋「これはイってしまいますね。でも、関係なしにやってましたね」 井浦「昭和のプロレスはブレーンバスターが必殺技になってる時代もありましたけど、近代のプロレスでブレーンバスターを必殺技に出来るのって原点回帰でもありながら、 『やっぱりブレーンバスターってスゴい技なんだな』って。しかも小橋さんの体重が全部乗っての垂直落下じゃないですか」 小橋「これ、ブレーンバスターで持ち上げて止めるっていうのが快感になってたんですね。デカい外人選手はね、持ち上げると嫌がるんですよ。ハンセンとか特に嫌がるんですよ(笑)ぐ~っと持ち上げて止めると嫌がってるのが分かるんでね(笑)でも重いんでバランスが崩れると持てないんで。でも、エプロンからハンセン持ち上げたんです。止めてると、持ち上げた瞬間にハムストリングスからブチッて音がして。でも持ち上げました。ハンセンが嫌がるんで(笑)」 ――他にもVTRがあるんですが、他に思い浮かぶ技は 井浦「小橋さんと言えば垂直落下もあるんですけど、僕がずっと好きなのはローリング・クレイドルですね」 小橋「ローリング・クレイドルって言ってくれるの嬉しいですね」 (※小橋のローリング・クレイドルの映像が流れる) 井浦「下手すると自分でもできるって思わせてくれる(笑)ちょっと友達とやってみようかなって思わせてくれるんですけど、実際は難しかったです(笑)」 小橋「ローリング・クレイドルはね、昔テリー・ファンクがやってたんで。テリー・ファンクとのローリング・クレイドルの掛け合いを。僕がグルーっと回るとテリー・ファンクも『クソッ!』って感じでやって来て、ローリング・クレイドルの掛け合いをやったのは今でも覚えてますね。すごく思い出のある技です」 ――ローリング・クレイドルにはどんな効果がある? 小橋「効果的に言えば……目が回る!(笑)それで、ローリング・クレイドルっていうのは実はかけながら足を極めることもできる。そういう固め方をすればホントはもっと効果的にいい技になるんです。足を極めることも出来ますし、すごくホントは良い技なんです」 井浦「美しい技ですよね。小橋さんの試合で『まだ回すんだ?!』ってときもありますし、小橋さんが乗っかっちゃってもまだ回す。見栄えも良くて素晴らしい技だと思います」 小橋「回数が少ないと、どこに効いてるか分からないんですよね(笑)10回以上回ると、かけたほうも立てなくなるんですよ(笑)」 (※最後にバーニングハンマー、リストクラッチ式バーニングハンマーの映像が流れる) 井浦「大好きです!もう!マジで理想的なプロレスの技だと思います!」 ――田上さんはこういう初めての技(リストクラッチ式)をやられがち…… 井浦「やられがちですよね(笑)リストクラッチは田上さんが初めてですよね?」 小橋「リストクラッチは2回やってるんだよね。田上さんとKENTAにやってるんで。やっぱ、バーニングハンマーは危ないですね。落とし方がどうしてもガッと頭のてっぺんから行くんで」 ――バーニングハンマーの誕生秘話は 小橋「タイガー・ドライバー‘91とかを見てて、三沢さんを倒すにはそれ以上の技を作るしかないと。でも、『この試合で超えるんだ!』っていう思いがなかったら、進歩っていうのは無いと思うんですよね(ここで30分経過のゴング)」 ――三沢さんを超えるために作られたのがバーニングハンマーだったんですね 小橋「そうですね」 トークバトルは今年も30分フルタイムドロー。 バトル後には笑顔で記念撮影を行い、互いにロープを上げてリスペクトし合いながらリング下へ。小橋ファン&井浦ファンの大歓声を背に受けながら退場していった。
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