40代を前にわが子を諦めた夫婦。二人の愛は変わらない「と思っていたのは俺だけでした」
共有できるものが減っていったのならば、他の手段で増やせばいい。二人の取り組みは
そこでシンイチさんは、妻との関係を改善するために、自分たちのコミュニケーション方法を見直すことにしました。 「些細なことなんですけどね、夫婦で共有する情報を増やそうと思いました。たとえばカレンダーアプリを共有するとか。仕事の時間、習い事などの趣味の時間、休日、お互いの予定がお互いで分かるようにしたんです」 シンイチさんはお互いの日常を共有することから始め、夫婦の会話を増やすことを心がけたといいます。また、過去の楽しかった思い出を振り返ることで、かつての愛情を思い出し、新たな愛情を育むきっかけを作ろうとしました。 またシンイチさんはある日、過去の写真を見返すことで、妻との思い出を再発見しました。 「久しぶりに昔の写真を見ていると、妻との楽しかった思い出がよみがえってきて。なんだか、もう一度、出会った頃のような新鮮な気持ちを取り戻したいと思うようになりました」 知らず知らずのうちに、お互いが空気のようになりつつある日常を生きていたことに気づいたというシンイチさん。ところが、この後に意外な展開が待っていました。 前編ではシンイチさん夫婦がお互いの距離を再確認し、再出発を切るまでをお話いただきました。続く後編では、その後二人が直面した課題とその乗り越え方を伺います。
ライター 山下あつおみ