鍵山 貫禄の大会連覇 冒頭で転倒も見事リカバリー「強い気持ちで立て直せた」
「フィギュアスケート・NHK杯」(9日、国立代々木競技場第一体育館) 男子は今季GP初戦の鍵山優真(21)=オリエンタルバイオ・中京大=がSPに続いてフリーも1位の合計300・09点で大会2連覇を果たした。壷井達也がSPの3位を守ってGP初の表彰台。SP2位の三浦佳生はフリー11位と崩れて6位に終わった。 鍵山は冒頭の4回転フリップで転倒する立ち上がりとなったが、そこからは圧巻だった。4回転サルコーを決めて立て直すと、続く4回転トーループ-3回転トーループの連続ジャンプも成功させて流れに乗った。貫禄の大会2連覇を果たし、「(失敗は)悔しかったが、それ以外のリカバリー、立て直しの部分で、すごく気持ちが入った。そこが成長した部分。(失敗を)強い気持ちで立て直せた。ファイナル(出場)を狙う中で、最後まで諦めてはいけないと気持ちを強く保てた」と胸を張った。 この日はSPを終えた疲労感も残り、練習ではジャンプでミスが目立った。父の正和コーチからは「自分に負けないように滑ってこい」とハッパをかけられ、気持ちを入れ直して出陣。ノーミスとはいかなかったものの、鈍い立ち上がりから踏ん張る胆力を見せた。「自分の感覚に任せて、とにかく全力でやり切った」とうなずいた。 目標に置いていた300点も超えて有言実行を果たしたが、「計算が得意ではないので、(合計で)299点か300点か、ちょっと祈るような感じだった」と苦笑い。すぐに第5戦のフィンランド大会(16日開幕)に臨む。「SPもフリーも収穫のある試合だった。引き続き次のフィンランドでも課題を修正したい。さらにいいジャンプができるように集中していく」と前だけを見据えた。