あなたは「自立」していますか?他人に頼って生きてもいい 「自立」の意味をアップデート
■日本にも導入されていた「自立」の概念
知れば知るほどスウェーデンと日本の違いが明らかになるようだが、実はこの「自己決定」=「自立」という考え方は、日本の福祉の世界にも導入されている。厚生労働省は2000年の社会福祉基礎構造改革以降、この「自立」の概念について「自己決定に基づいて主体的な生活を営むこと」と定義し直し、その上で自立支援の制度設計をしてきた。 しかしある厚労省職員は、定義を新たにしてから20年ほど経った今でも、「自立」という言葉はとても慎重に発信する必要があると話す。たとえば「自立」という言葉を盛り込んだ新たな制度を発表すると、図らずも当事者やその団体から「“自立”(=他人の援助を受けないこと)を強要されているように感じる」などと批判の声があがるのだそうだ。当事者やその支援団体らにとっても、まだ「自立」=「他人の援助を受けず」というニュアンスが強く根付いているといえる。 福祉の世界以外でもよく耳にする「自立」。他人に頼ると、思わず「すみません」と口にしてしまう日本人だが、そもそも人に頼ることは本当にそんなに後ろめたいことなのだろうか。人に助けを求めることは、つまり自分の弱さを認めることで、それはむしろ「強さ」でもある。 「自分の生き方を自分で選ぶ」に「自立」をアップデートしてみる。 その上で考えてみたい。自分は自立しているだろうか?