3メガバンクの株主総会、気候変動対策強化を求めた株主提案を否決
(ブルームバーグ): 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループの3社が27日までに開催した定時株主総会で、環境団体による気候変動対策の強化を求める株主提案がいずれも否決された。3社の否決は2年連続となる。
オーストラリアの非政府組織(NGO)マーケット・フォースなどの環境団体が、3社に定款変更を求めていた。提案は気候変動関連の事業リスク・機会の管理が経営戦略に確実に組み込まれるよう、取締役会が適切な監督能力を備えているかについて株主が評価する上で必要な情報を開示することなどを求めるもの。3社全てで可決に必要な賛同を得られなかった。
マーケット・フォースなどによる3メガバンクを対象とした気候変動関連の株主提案は2年連続。3社はいずれも取締役会の意見として提案に反対を表明していた。一方、議決権行使助言会社ではグラスルイスが反対を助言したのに対し、インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)が賛成を推奨し、2社で意見が割れていた。
MUFGが27日に都内で開いた定時株主総会ではマーケット・フォース側の出席者が、MUFGが化石燃料産業の規模を拡大する企業や事業に資金を投じ、株主の気候関連財務リスクを悪化させているなどと提案理由を述べた。
MUFGは反対理由について招集通知で「取締役の指名に際しては、気候変動等サステナビリティーの観点を含めて、知見・専門性、経験のバランスの取れた取締役会構成とし、指名ガバナンス委員会による選任方針等を開示している」などと説明。気候変動問題等の特定の経営課題への対応等を定款に定めることについて「方針の機動的な変更及びその速やかな実行の制約となる恐れもある」との考えを示している。
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Hideki Suzuki