四千頭身・後藤拓実「次の目標はM-1決勝」第七世代ブームを経て、ネタへのモチベーションが上がった「次の5年」《インタビュー》
後藤 特にないですね。声が小さい分ハードルはちょっと上がってると思うので、昔から「越えないと」とは思ってました。でもたいしたことを言えるわけじゃないので、「別に面白いこと言おうとしてないけどね」くらいのテンションでしゃべるようにしてます。 ――芸人になる前から落ち着いたテンションだったんですか? 後藤 そうですね。でも中学生のとき、5つの中学校が集まって行われた野球教室で「一番明るいヤツに贈られる賞」をいただいたことがあるんですよ。すごい人数から1位を取ったので、昔からテンションが低かったわけではないと思います。 ――以前、別のインタビューで後藤さんが「自分は陽キャでも陰キャでもなく“夕キャ”」とお話しされているのを読んだことがあります。 後藤 意味がわからない。僕が言ってたんですか? もしかしたら、当時はプライドがあったのかもしれないですね。「僕は明るいけどね」みたいな。 ――そのプライドは、今どうなっていますか? 後藤 今は、プライドはまったくありません。昔はもうちょっと、お笑いを簡単に考えてたんですよ。中学生くらいのときお笑い番組を観て「あんまり面白い芸人っていないな」って思ってたんです。そんぐらいの気持ちで芸人になったので、ナメてたというか……芸歴を重ねるにつれて「みんな面白いんだ」と気づきました。プライドなんて持ってる場合じゃないですよ。プライドなんてあったらやってらんない。 ――ほかの芸人さんに比べて言葉数が少ない分、ひとことのプレッシャーが大きいのではないでしょうか? 後藤 プレッシャーかかりますね。長いこと黙ってるとプレッシャーが大きくなります。ずっと考えてるから、黙ってると頭とお腹が痛くなるんですよ。すると、振られたときになにも言えない。難しいですね。 ――どなたか、言葉を発するにあたり参考にしている人はいますか? 後藤 たまに、千鳥のノブさんを真似したしゃべり方をする面白くないヤツいるじゃないですか。僕、あれです(笑)。表に出るときに意識している人はいないけど、友だちと飲み会をするときとかは素でノブさんみたいなしゃべり方になります。 ――ノブさんを参考にしてしゃべってるのでしょうか? 後藤 参考にしているというか、ノブさんが一番面白いじゃないですか。だから、まんま「クセがすごい」とか言ってます。友だちの前だけですよ(笑)。 ――ノブさんはひとことで笑いを取るワードセンスがすごいですよね。後藤さん的に、どうしたらひとことで笑いを取れると思いますか? 後藤 声量で誤魔化してる人いっぱいいるじゃないですか(笑)。でも、意外とそのままの声量でもいけると思うんですよね。瞬発力があれば、大したことを言ってなくても笑いが起きることってあるんです。本当はもっと気の利いたことを言いたいんですけどね……あんま出ないですね。