韓国政局「大混乱」 戒厳解除も後遺症続く=野党は弾劾推進
【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が3日夜に宣布した非常戒厳は6時間で解除されたものの、政局は大混乱に陥る事態となっている。 最大野党「共に民主党」は尹大統領と金龍顕(キム・ヨンヒョン)国防部長官、李祥敏(イ・サンミン)行政安全部長官を内乱罪で告発し、弾劾を推進すると表明した。 これとは別に共に民主党と「祖国革新党」「改革新党」「進歩党」「基本所得党」「社会民主党」の野党6党は4日午後、尹大統領の弾劾訴追案を国会に提出した。弾劾訴追案の発議には、与党「国民の力」を除く国会議員191人全員が参加した。弾劾訴追案は5日の国会本会議で報告し、6~7日に採決する計画だ。 関連法によると、弾劾訴追案は国会本会議に提出されてから24時間後、72時間以内に無記名で採決を行う。 国会(定数300)で弾劾訴追案を可決するには在籍議員の3分の2以上の賛成が必要で、108議席を持つ国民の力からの造反が必須となるが、尹大統領の戒厳宣言を巡り与党内で亀裂が生じる兆しがみられるため、弾劾訴追案が退けられるかどうかは不透明な状況だ。 国会は4日未明に本会議を開き、非常戒厳の解除要求決議案を可決。採決に出席した議員190人全員が賛成したが、これには国民の力の韓東勲(ハン・ドンフン)代表に近い同党の議員18人が含まれていた。この18人が造反し尹大統領の弾劾訴追案に賛成票を投じれば、弾劾が成立することになる。 仮に弾劾訴追案が可決され弾劾審判の手続きに入れば、尹大統領の大統領としての職務は憲法裁判所の判断が示されるまで停止することになる。職務停止中は内政だけでなく、首脳外交などの外交もできなくなる。 尹大統領はトランプ米次期大統領の就任後、できる限り早期に韓米首脳会談を開催すべく調整を進めていた。「米国第一主義」を掲げるトランプ氏の政策に各国が警戒を強める中、尹大統領の職務が停止され首脳外交に支障が生じれば、韓国にとって大きな打撃となるという懸念が指摘されている。 またコメの超過生産分の政府買い上げを義務付ける糧穀管理法改正案など国会で野党が単独で可決し尹大統領が拒否権を行使した法案が成立する可能性や、尹政権の不動産政策などが頓挫する可能性もある。
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