シルクロードの売却可能性めぐる売り圧力懸念は過大評価:CoinDeskアナリスト
ビットコイン(BTC)が数日で10万ドル(約1550万円、1ドル155円換算)から9万2000ドルに下落したことは、暗号資産(仮想通貨)業界の外の世界にとっては強気相場の終わりを示す可能性がある。ただし、ビットコインは重要な心理的節目である10万ドルを下回った水準で値固めを続けている。 DBニュース(DB News)が報じた事実関係が未確認の情報によると、米司法省がマーケットプレイスのシルクロード(Silk Road)から押収した6万9370BTC(65億ドル、約1兆円相当)を清算する権限を与えられたという。 この報道は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期大統領の就任まであと11日というタイミングで出された。グラスノード(Glassnode)のデータによると、トランプ氏はアメリカ政府がまだ保有している18万7236BTCを一切売却しないと誓約している。政府が保有する暗号資産の大部分は、ビットフィネックス(Bitfinex)とシルクロードから押収されたものだ。 売却懸念が過大評価されている可能性がある理由はいくつかある。6万9370BTCが清算されるとの報道を見ると量が多いように感じられるが、売却される場合、可能な限り最良の価格を得ることが求められるため、段階的に売却される可能性が最も高い。同時に、市場はこの可能性をすでに知っていたため、すでに市場の期待に織り込まれている可能性がある。 第二に、市場は9月以降100万BTC以上を吸収している。これは、グラスノードが155日以上ビットコインを保有している投資家と定義する長期保有者の保有量の減少によって示すことができる。長期保有者全体で現在1310万BTCを保有している。しかし、9月以来、価格は約6万ドルから10万ドル以上に上昇している。 最後の理由は、同様の量のビットコインを売却した別の政府に関する過去のデータがあることだ。ドイツ政府は2023年6月中旬から7月中旬にかけて約5万BTCを売却した。これは当時の価値で約35億ドル(約5425億円)で、現在の価値の約半分だった。 しかし、市場は効果的に売却を先取りし、ドイツ政府がまだ少なくとも2万5000BTCを保有していた7月7日頃に約5万5000ドルで底を打った。これは、この量のビットコインが市場を左右するものではないことを示している。 |翻訳・編集:林理南|画像:Shutterstock|原文:Market Fears of Potential Selling Pressure From Possible Silk Road Sale is Overblown: Van Straten
CoinDesk Japan 編集部