新幹線の終電後の午前0時すぎ、車掌「気分の悪い方はいらっしゃいませんか」…非常時の降車避難誘導訓練
山陽新幹線の全線開業後、JR西日本は乗客の安全も支えてきた。同社では年に数回、新幹線の終電から始発までの未明の時間に非常時の降車避難誘導訓練を行っている。 【写真】鉄道ファンらがスマートフォンを構える中、JR博多駅を出発する「ドクターイエロー」
昨年11月下旬の訓練は、走行中の新幹線が震度5強の地震で緊急停止し、一部が脱線したとの想定で、午前0時15分に始まった。車内の明かりは予備灯のみ。車掌らは「気分の悪い方はいらっしゃいませんか」などと呼びかけ、けが人の有無を確認するなどした。
博多新幹線電気技術センター(福岡市)や小倉新幹線土木技術センター(北九州市)などから係員が駆けつけ、午前1時頃に現地対策本部を設置。博多総合車両所(福岡県那珂川市)の社員らも加わり、避難に向けた打ち合わせを行い、午前2時頃から1時間弱で乗客役約230人を車両から線路へ降ろし、高架下まで案内した。
JR西日本山陽新幹線統括本部の込山哲也・安全推進部長は「日頃から万が一に備えることが大事。迅速に異常時の対処ができるよう質を高めていきたい」と話した。