ティームー 、広告費が1000%増に:集中的マーケティングの圧倒的規模「このような戦略は見たことがない」
米国では成人の20%がティームーを使用
ひとつ疑問なのは、このような多額を費やした広告がどれだけ人々の共感を呼ぶのか、その人たちはリピーターになるのかということだ。この疑問に答えるため、リプスマン氏はティームーの1日のアクティブ利用者数と月間のアクティブ利用者数の比率を計算した。2022年9月の時点ではこの比率は9%だったが、2023年10月には約20%に達したと、同氏は述べる。「継続的な利用者が増えつつあるという良い兆候だ」と、同氏は述べている。 ほかの数値も有望な兆候を示している。GWSマグニファイ(GWS Magnify)は、9月の時点でティームーのアプリを使用しているアクティブな買い物客は8240万人で、1年前より460万人増加したと推定している。Googleトレンド(Google Trends)によると、「ティームー」についてのウェブ検索はこの12カ月に全世界で788%増加した。10月には、米国の成人の20%がティームーを使用したことがあると市場調査企業のシビックサイエンス(CivicScience)に回答しており、これは3月の数値の2倍にあたる。 メディアレーダーは、2024年もティームーは「同じように広告へ投資するだろう」と予測している。メディアレーダーのCEOのトッド・クリゼルマン氏は、この戦略がソーシャルや注目されるイベントに特化する可能性が高いと、メールで米モダンリテールに語った。「時間が経てば、真っ先に思い浮かべられるブランドという地位を維持するために、現在と同じレベルの投資は必要でなくなるかもしれない」と、同氏は記している。
ティームーとシーインが顧客獲得コストを押し上げている
ティームーは広告を出すだけでなく、広告の機能する仕組みを根本的に変えようとしていると、マーケターは語る。ティームーとシーインはどちらも、低価格の広告によってほかの小売業者に競り勝ち、、顧客獲得コストを押し上げている。エッツィー(Etsy)のCEOは、ティームーとシーインが、特にGoogleとメタについて「ほとんど単独で広告コストに影響を及ぼしている」と、2023年11月の決算発表で明言した。 ライアン氏は、Googleサーチで「レゴ おもちゃ」と検索したときの結果が、この「軍拡競争」を象徴していると述べる。「ティームーとシーインは、レゴ関連の商品を販売しているほかのすべての小売業者を蹴散らしてしまった。そして、ほぼ間違いなく、駆逐された広告はいずれもティームーの広告よりも適切なものだっただろう。これはオークションに対するスパム行為ではないかと懸念している」と、同氏は述べている。 「証拠こそないが、両社は史上最大の広告主ではないかと想像している」と、ライアン氏は述べている。 [原文:‘I’ve never seen anything like this’: Temu’s ad spend soars as it embarks on a marketing blitz] Julia Waldow(翻訳:ジェスコーポレーション 編集:) Image via Temu/Youtube
編集部