“年収の壁”で「退職を検討」医療を提供する訪問看護事業者は人材確保に苦慮 地方からは“税収減”に懸念の声も【news23】
他にも障がい者の福祉に関連する助成ができなくなる可能性もあります。 他の自治体でも福祉関係の行政サービスなどができなくなると見込まれています。 藤森祥平キャスター: 真っ先に子どもの医療費や保育関係に影響が出てしまうと、話し合いが進みにくくなってしまう懸念があります。 小川彩佳キャスター: 行政サービスを継続させるためにはどうしたらいいのでしょうか。 片山薫 記者: 市町村は、国債のように簡単に債権を発行できないので、地方に、国から財源を移してほしいという声は出ています。 ■玉木代表「増えた税収・余った予算が約9兆円」 藤森キャスター: 財源について、国民民主党の玉木代表は増えた税収や余った予算が約9兆円ある(2年間の平均)としています。178万円に引き上げた場合、約7兆円の減収分を賄えるとしています。 片山薫 記者: 玉木代表は上手い言い方で、何となくできそうな雰囲気ですが、約9兆円が金庫などに入っていてすぐに使えるというわけではありません。 日本は毎年借金を重ねているので、使わなかった予算は「借金をしなかった」ということで、実際に国庫には何も残っていません。 インフレになれば、おそらく税収は増えると思いますが、7~8兆円の減税策を賄うほどではありません。どこかで増税するか、国債などで将来にツケを回す形で借金をしないと、“壁”の引き上げは難しいように思います。 小川キャスター: 難しいようですが、玉木代表が「103万円」など“壁”を議論に上げたことは大きな意味があるとも感じます。 小説家 真山仁さん: 保険の問題など、自分たちの収入を考えるきっかけになったという意味では大事なことだと思います。 日本の財政を維持するためにたくさん国債を発行していますが、それは借金です。 借金がない状態で「約9兆円」などの議論はいいと思いますが、お金が無い中では、みんなで我慢することになるでしょう。その“我慢”が、今までは「103万円の壁」などの壁で、壁が引き上げられれば、税金(税収)が減り、社会サービスも減るということです。