暗号資産「税率ゼロ」で大人気のマレーシア、一方で日本は「ワースト」国に名を連ねる
注目されるマレーシア、移住のハードル
マレーシア政府は、外国人投資家に対し、いくつかの魅力的な移住プログラムを提供している。代表的なのが、Malaysia My Second Home(MM2H)プログラムとPremium Visa Program(PVIP)だ。Henley & Partnersによると、これらのプログラムでは、一定の投資を行うことで、申請者とその家族にマレーシアでの長期滞在を認める複数回入国ビザが付与される。 MM2Hビザは10年間有効の複数回入国ビザで、35歳以上の申請者が対象となる。主申請者とその配偶者は、年間90日以上マレーシアに滞在する必要がある(子供、両親、義理の両親は免除)。一方、PVIPビザは20年間有効の複数回入国ビザで、5年ごとに更新される。申請者の年齢制限はなく、マレーシアで働いたりビジネスを行ったりすることも可能だ。PVIPビザ保有者にマレーシア居住の義務はない。 いずれのプログラムでも、申請時に以下の条件を満たす必要がある。 ・最低月4万リンギット(約1万ドル=約156万円)の海外からの収入を証明する。 最低150万リンギット(約35万ドル=約5,500万円)の銀行預金残高証明書を提出する。 申請が承認されると、MM2Hの場合は100万リンギット(約23万ドル)、PVIPの場合はこれに加えて扶養家族1人につき5万リンギット(約1万2,000ドル)を現地の定期預金口座に預け入れる必要がある。預け入れた資金は、マレーシアでの滞在期間中、同口座に維持しなければならない。ただし、最初の1年が経過した時点で、マレーシアでの住宅購入、子女の教育、医療目的で、最大50万リンギット(約11万5,000ドル)を引き出すことが可能だ。 このほか、PVIPでは申請時に、申請者1人につき20万リンギット(約4万5,000ドル)、扶養家族1人につき10万リンギット(約2万2,000ドル)の一括申請料を支払う必要がある。 MM2Hビザ、PVIPビザのいずれも、マレーシアでの永住権の取得にはつながらない。ただ、一定期間マレーシアに滞在し、所定の要件を満たせば、永住権や市民権の申請が可能になる道も開かれている。 以上のように、マレーシアの移住プログラムは、一定の経済力を持つ外国人投資家にとって魅力的な選択肢となっている。暗号通貨投資家の間でも、マレーシア移住に対する関心は高まりつつあるようだ。