ブレゲ、パテック フィリップ。スポーツスピリッツのある腕時計
パリ2024オリンピックが、7月26日、いよいよ開幕する。熱い戦いを観戦する時間をともにするのにふさわしいスポーツスピリッツに満ちた腕時計は、日常の時もパワフルに刻んでくれる。 【写真】スポーツスピリッツのある腕時計4選
ブレゲ 力強さと美を兼ね備えた高防水の薄型複雑時計
オリンピック種目には、美しさと力強さが求められる競技がある。新体操がそのひとつ。たとえばリボンの流れるような美しい動きを維持するためには、常に手首を動かしつづけねばならず、見た目以上に力が必要となる。くるくると回るリボンの様子は、機械式腕時計で振り子代わりとなるテンプの振動を促すヒゲゼンマイにも似る。 稀代の天才と謳われたアブラアン-ルイ・ブレゲは1801年、テンプを一定周期で回転するケージに収め、重力の影響を平均化するトゥールビヨンを発明した。現代のブレゲは、この複雑機構をわずか9.35㎜厚のケースに収めてみせた。しかも極めて薄いにもかかわらず、80時間駆動と100m防水というパワフルさを併せ持つ。船のデッキでも安心して身につけられる防水性に優れた複雑時計は、薄くエレガントな美をたたえる。 マリーン トゥールビヨン 5577〈42.5㎜/RG、自動巻き、アリゲーターストラップ〉¥25,487,000/ブレゲ ブレゲ ブティック銀座 TEL.03-6254-7211
パテック フィリップ 時差を越えて飛行するパイロットの魂を腕に
オリンピックの期間中燃え続ける聖火は、ギリシャのオリンピア遺跡で採火され、開催地パリまで運ばれる。ギリシャとフランスの時差は1時間。これら2カ国の異なる時間をパテック フィリップのトラベルタイムは、二つの時針で示してくれる。 このモデルでは、ケース左サイドのコレクターを操作するとソリッド側の時針が前後に動かせ、現地時間に合わせられる仕組み。スケルトン針は、ホームタイムを常に示す。さらにクロノグラフまで統合した精緻なメカニズムを、1930年代に製作されたパイロットウォッチに範を採ったダイヤルの下に潜ませた。その印象は、聖火の炎のように精悍で、かつ光の具合でダイヤルの色のニュアンスがさまざまに変化する様子が美しい。 カラトラバ・パイロット・トラベルタイム・クロノグラフ 5924〈42㎜/WG、自動巻き、カーフストラップ〉¥12,030,000/パテック フィリップ パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター TEL.03-3255-8109 BY NORIO TAKAGI, STYLED BY TOMOKO IIJIMA