主な理由はインフレ…世界中の有権者が政権に罰を与えた(海外)
インフレの代償
インフレは有権者の反発を引き起こす主な要因となっている。新型コロナウイルスのパンデミックの間に政府が多額の支出を行い、ロックダウンによってサプライチェーンに世界的な混乱をもたらしたため、食料、燃料、住宅、その他の必需品の価格が急騰した。アメリカでは2022年初めにインフレ率が40年振りの高水準である9%以上に達し、2024年9月の時点でも連邦準備制度理事会(FRB)の目標値である2%を上回ったままだった。 「トランプの勝利は、世界中の現職議員にとって残酷な政治・経済環境を示す2024年で最も強力な例であり、インフレが政治の急所であるという事実を浮き彫りにした」と独立系のストラテジストでアドバイザーのティナ・フォーダム(Tina Fordham)は、リンクトイン( LinkedIn )に投稿した。 インフレの主要な影響の一つは、中央銀行が利上げを行い、消費、雇用、投資を抑制し、物価の上昇を抑制していることだ。FRBは1年半足らずの間に政策金利をほぼゼロから5%超にまで引き上げ、多くの人々のクレジットカード、車のローン、住宅ローンの月々の支払い額を増加させた。 その後FRBは、2024年9月に初めて利下げを行い、2024年11月7日に追加利下げを決めた。この動きはイングランド銀行や欧州中央銀行(ECB)など他の中央銀行の方針と一致している。 物価の高騰と金利の上昇によって、アメリカを初めとする多くの国々で家計が圧迫されている。有権者は過酷な生活費にうんざりしており、自分たちの苦労の原因と考えている指導者たちを追い出したいと思っているようだ。 不法移民やウクライナ戦争、中東紛争などの他の問題も、変革を求める票を促す要因となっている。
人は変化を求めている
アメリカではこうした懸念は非常に強力であり、回復力のある成長、歴史的な低失業率、インフレの低下、金利の低下、株式市場の記録的な成長といった経済的な現実を上回っている。CNNの出口調査ではアメリカ人の72%が国の進む方向に不満を抱いていると答えている。
Theron Mohamed