桜の開花遅らせた3月の寒さ・・・ただ大阪では奇跡の「桜コラボ」が!? 今年も梅雨は大雨に警戒?台風シーズンは遅め?このあとどうなる?教えて!吉田さん
予測可能だった?
気象庁が発表する「3ヵ月予報」は地球温暖化と海水温から求められます。成層圏で気温が大きく変わっても、それは考慮されません。つまり「3ヵ月予報」には大気の内部変動という要素が含まれていないため、常にはずれる可能性を秘めているものといえます。 一方、「1ヵ月予報」には大気の内部変動が含まれており、今回「成層圏」で突然起きた気温上昇も考慮されます。 ところが、この「成層圏突然昇温」と呼ばれる現象発生の予測は難しく、またこの現象が起きたところで、必ずしも北極の寒気が日本に流れ込むとはいい切れません。 実際、「1ヵ月予報」では、2月に入った時点では3月はじめの日本付近は暖かくなる計算結果が出ていました。ただ、時間が経過するにつれ、日本付近は寒くなる計算結果も増え、「成層圏突然昇温」の影響が見え隠れするようになっていました。3月の高温予想は仕方ないにしても、寒くなる可能性は大きくなりつつあり、これをどう予報に含めるのか?また、この長期予報を元にした桜の予想はどう表現すべきなのかは、今後の課題とも言えます。
今年の夏も猛暑の可能性大
地球温暖化の勢いは凄まじく、海水温は世界的に高い状態が続いており、地球全体の大気の平均気温は年々高くなってきています。3月は日本付近では寒さに襲われましたが、世界的には圧倒的に平年より高いところが多くなっています。その上、昨年春からのペルー沖の海水温が高くなるエルニーニョにより、大気はさらに暖められました。エルニーニョはこの春で終了する可能性が高く、すでにペルー沖の海水温は低下し始めてますが、エルニーニョにより暖められた大気はしばらくその状態を維持するものとみられます。 エルニーニョが終了したあとは、ペルー沖の海水温が低くなるラニーニャに向かう可能性もあります(気象庁発表のエルニーニョ監視速報によると今年の夏にラニーニャになる可能性は40%)。ラニーニャは世界的には大気の温度を下げる効果がありますが、日本付近の夏に限っていえば、さらに厳しくさせる傾向があります。つまり、ただでさえ、地球温暖化により猛暑となる可能性が高いのに加え、日本付近をさらに暑くさせる2つの要素(エルニーニョの名残、ラニーニャ)が揃ってしまい、大変な猛暑だった去年以上の長く厳しい猛暑になってしまうおそれがあります。