桜の開花遅らせた3月の寒さ・・・ただ大阪では奇跡の「桜コラボ」が!? 今年も梅雨は大雨に警戒?台風シーズンは遅め?このあとどうなる?教えて!吉田さん
2月中旬までは異常に暖かかったものの、3月にかけては冬の寒さに逆戻り。2月中の桜の開花予想が大きく外れ、ようやく開花の便りが届くようになりました。 急に暖かくなったり、冬に逆戻りしたり・・・これもまた異常気象!?さらにこれからどうなる!?ABCのベテラン気象予報士・吉田裕一さんに聞きます!教えて!吉田さん!!
3月は平年より高め?いや、寒かったんです
3月の全国の気温は平年より0.23度高めだったと発表されました。とは言っても、3月終盤の記録的な暖かさを含めての「高め」であり、春のお彼岸の頃まではむしろ平年より低く、2月よりも寒い状態が続いてしまいました。 桜の開花予想は当初から大きく外れ、先週末はほとんど桜の咲いていない冬のような枝の下で、「花見」ならぬ「枝見」をする事態となってしまいました。「枝見」でもそれなりに盛り上がっている様子を見ると少しホッとしますが、やはり気象業界の末端を構成する者としてたいへん申し訳なく、大いに反省しなければなりません。 ただ、反省したからと言って、次回から当たるようになるかというと、そういうものではありません。まずは、要因を追求し、それが予測可能であったのか、どう表現すべきであったのかというところから考えていく必要があります。
寒さの原因は「成層圏」にあった!?
ことし2月中旬の異常に暖かかった頃、上空でも急激に気温が上がっていたことがわかりました。 上空10km~50kmの「成層圏」と呼ばれる空気の層があります。北極圏の「成層圏」で急激に気温が上がり、成層圏内の風の流れが逆行するほど大きく変わってしまったのです。これが私たちが暮らす地上の「対流圏」に伝わり、偏西風の蛇行が大きくなりました。 その結果どうなるかというと、北極から寒気が放出され、3月にかけては日本付近も突然の寒波に襲われてしまいました。 また、3月下旬になって上空に暖かい空気が入ってきても、雨が多く、予想ほど日中の気温が上がらなかったことも桜の開花を遅くした要因の一つと考えられます。