老朽化で寿命迎える街の図書館を町民ら主導でリノベ!テラスで日光浴、おしゃべりOKの素敵空間に生まれ変わった「瑞穂町図書館」 東京・瑞穂町
1950年に図書館法が制定されてから、戦後全国で次々と誕生した図書館。今、過渡期を迎えています。これらの建物が老朽化しており、いっせいに寿命を迎えているのです。東京都・西多摩郡瑞穂町の「瑞穂町図書館」にもこうした課題がありましたが、これまでの建物をあえて残しながら改修し、新たな空間をつくり上げる道を選びます。そして「誰もが居心地の良い、街のいこいの場」の機能を加えたのです。こうした改修プロジェクトを主導したのは、町民たち。どのような歩みを経てきたのでしょうか。図書館改修事業に携わった方の思いをお聞きしました。
街のリビングのような、心ゆるせる場所
東京都心の北西部にある人口3万2000人ほどの小さな町、西多摩郡瑞穂町。最寄駅である箱根ヶ崎駅には、東京駅からは電車で1時間半ほど乗ると到着します。町内には狭山丘陵の一角があり、背景には緑豊かな山並みも目にすることができます。 街の中央部にある瑞穂町図書館は、2022年3月にリニューアルオープンしました。コンセプトに掲げているのは、「本や人とゆるやかにつながり、自分の居場所と感じられる図書館」。そのテーマどおりに、図書館内のほとんどのスペースでおしゃべりや飲食がOKで、多くのくつろげるスペースがあります。
1階エントランスを入るとすぐ目に入るスペース。おしゃべりも、読書も、ワークショップも。あらゆることができるリビングのようなエリアです。
2階建ての図書館には、開口部全面に配置されたロングソファや、木製のボックス型読書ブース、Wi-Fiと電源が完備された無料のブース型ワーキングスペースなど、あらゆる人が快適に過ごせる空間が用意されています。
黙々と一人で読書や仕事をすることができるパーソナルブースには、開館と同時に人が集まっていました。
配置されている書棚も、本に手が伸ばしやすいように、フロア全体が背の低い書棚で囲まれています。さらには子どもが手に取りやすいサイズの書棚に、ゆるやかなカーブを描いた面陳列の木製書棚も印象的です。ゆったりとしたスペースや通路に、あたたかみのある木製の家具でつくられたやわらかな空間。
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