老朽化で寿命迎える街の図書館を町民ら主導でリノベ!テラスで日光浴、おしゃべりOKの素敵空間に生まれ変わった「瑞穂町図書館」 東京・瑞穂町
靴を脱いでくつろぐことができる、子ども向けのコーナー。
ボックスブースでは、落ち着いて飲食、勉強、打ち合わせも可能です。
瑞穂町にゆかりのある大瀧詠一さんが発表されたレコードを集めたコーナー。
そこでは新聞を広げてくつろぐ人や、仕事や勉強に夢中になる人、黙々と本を読む人などと、思いおもいの時間を過ごす風景が広がります。なかには開館と同時に来館し、一日中図書館に浸る人も。まるで自分の家のリビングでくつろぐかのような雰囲気です。とはいえ、お互いにやりたいこと、求める空気感など、相手を尊重し合いながら秩序を保っています。 「ここは誰もがいてよい場所。なので、私たちからは”こうしろ”、”ああしろ”と強制はしません。ですが、例えば”今あそこには誰々がいて、こんなこと気にしているみたいよ”と促しはします。自発的に相手のことを考えてもらうために、そっとサポートをするイメージです」と、司書の西村優子さんは話します。
新しくするのではなく、今ある施設の魅力を活かす
「実はこの図書館は、私と生まれ年が同じなんです」 瑞穂町生まれの前館長・町田陽生さんはそう話を切り出します(取材当時は館長)。 リニューアル前の図書館は築45年で、設備の老朽化が目立ち、若年層の来館者が伸び悩んでいたことが気がかりでした。おまけにエレベーターもなく、車いすの人にも訪れにくい環境。なんとか変えたいと、誰もが利用しやすく快適な図書館へと改修するプロジェクトがはじまったのです。 瑞穂町は全てを新たに建て直すのではなく、既存の建物を活かすために一部減築をした上で、新たな建物を増築するという、2つの方法を組み合わせて改修する道へと踏み切ります。 「限られた期間と予算の中で事業を進めていく必要がありました。図書館は駅から離れた位置にあり、立地も良いとはいえない場所です。ここで改修をするにあたり、どうすれば多くの方に来ていただき、町民に愛される図書館にできるかと模索する毎日でした」町田さんは、こう振り返ります。 建物改修と並行して、「図書館がどうあってほしいのか」という、ソフト面を考える取り組みも行うことになりました。そこで町は、住民参加型ワークショップを開催するべく、場を立ち上げたのです。
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