【税理士が教える】「熟年再婚」を考えたら、まず第一に必ずやってほしい対策とは?
親が相続対策しないまま亡くなると、残された家族や子どもは、膨大な手続きに苦労したり、争族に巻き込まれたり、相続税が払えなかったり…と、多大な迷惑をこうむります。本連載では、知識のない親御さんでも、ステップ式で5日で一通りの相続対策ができる『子どもに絶対、迷惑をかけたくない人のための たった5日で相続対策』(ダイヤモンド社刊)を出版した税理士の板倉京さんが、最低限やっておくべき相続対策のポイントを本書から抜粋して紹介していきます。 ● 熟年再婚で、子どもに迷惑をかけないためには? 前回、熟年再婚が、家族に悲しい結末をもたらす可能性についてお話しました。こんな事態を避けるためにも、熟年再婚する時は、財産を誰が相続するのかについて、家族でしっかり話し合い、遺言書で明確にしておく必要があります。 これは、夫・妻どちらもです。熟年再婚ではお互い財産も家族も持っているというケースが多いのです。 熟年再婚の場合、相続以外にも事前に解決しておきたい問題があります。 一つは、お墓です。先妻と死別している場合、先妻の眠るお墓にゆくゆく再婚相手が入るのは、残された家族にとっては複雑な思いがするものです。 再婚相手のお墓をどうするかは、あらかじめ話し合っておきたいところです。 もう一つは介護です。熟年再婚の場合、介護は身近な問題です。相手が要介護状態になったらどうするのか。 幸せいっぱいの状態でそんなことを考えるのはイヤかもしれませんが、避けては通れない問題です。介護と相続をセットで考えて遺産の配分を検討する、ということも必要だと思います。 自分たちの幸せのために、後々、子どもにいやな思いをさせるのは、よろしくありません。また、相続争いになれば、再婚相手にも辛い思いをさせることになります。「めでたいときに縁起でもない」などと言わず、しっかり準備していただきたいと思います。 ● 教訓 熟年再婚したければ、相続・お墓・介護問題もセットで考える *本記事は、板倉京著『子どもに絶対、迷惑をかけたくない人のための たった5日で相続対策』(ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集して作成しています。
板倉 京